第1048話 〈閑話〉ある場所にて
「ギャッギャッギャッ……王国は壊滅か。それは愉快愉快」
「……その笑い方、まだ治ってないんですね。というか金属音が増えました?」
「なに、ちょいとばかし出資者の援助を受けてな。声帯がボロボロだったからこの前取り替えた。我が弟子もどうだい?痰が詰まることはなくなるぞ?」
「僕はまだしわがれてないし、痰が詰まることもないので(お師匠様は歳が歳なので仕方ないですけど……)」
「聞こえとるぞ我が弟子?全く、手がかかる弟子じゃ。じゃが、王国が滅んだなら儂が呼んだもの達はどうしようかのう?暇させるのも悪いしのう……」
「呼んだもの……お師匠様の出資者の兵ですか?」
「うむ。王国は徹底的に破壊するつもりでおったからのう。ついでにブリテンの島ごと砕くつもりで転移させてきたんじゃが……暇になってしもうた」
「……島ごと破壊は亜人コミュニティに影響が出ますよ。人間も最近は力をつけてきてますし」
「ギャッギャッギャッ!人間がか?確かに我が友マーリンが手助けして王にした奴がいたがあれ以降まともなやつは出てきておるまい?そもそもあの王も転生者とか言うとったからな。儂らの世界、いや今はダンジョンと呼ばれとったか?それと繋がり古来の魔力に目覚めたとしても人間が亜人に勝てるものか」
「……極東、ニホンのタジマアラタをご存知ない?彼の実力についても?」
「ふむ?儂はつい5日前にこっちに帰ってきたからのう。詳しく教えてくれ、我が弟子」
「……僕はランクルですよ?名前忘れてませんか?」
「ギャッギャッギャッ。名前なんて高々1000年覚えられるものじゃ。儂にとっては不要ぞい」
「……やれやれ。名前間違われて覚えられるとやってられないんですけどねー。さて、ニホンのタジマアラタについてですが……」
「……あのジジイ、何者なの?身体が半分以上機械じゃない。ランクルが全くつっこまないって……それに、この魔力……バケモノ?」
「ランクル、慣れてる。あの人、ランクルの師匠」
「師匠って……そもそもランクルは500年以上生きてるとか言われているドライアドよ?それの師匠なんて……」
「建国王マーリンの師にして最古のノーム。歴史から名前すら消された大罪人。ワタシの知識の中にも名前は存在しない」
「……最古のノーム?ノーム族って基本長命とは聞くけど……ってマーリンの師?!アーサー王は今から1500年以上前よ?!」
「禁忌の術を使用し、長命となった。故に大罪人。王国の隠された記録では、マーリンによって打ち倒されている」
「……なるほどね。禁忌の術、気にはなるけどあんな姿になるのはごめんね。というか、貴方はどこからその知識を?グラーツ」
「王国の書庫。再起動の際にランクルが盗んできた歴史書を全部インストールしてきた」
「……アイツ、サラッととんでもないことを。ゴーレムだってこと忘れてない?キャパオーバーで崩壊しない?」
「大丈夫。新型SSDをごうだ……ゴホン、頂いてきたから」
「……隠せてないわよ。というか、人間のメモリを使ってるのね……」
「あの人、深淵の者と繋がっている。ランクル、それを警戒している」
「……なるほどね。だからあんなに当たり強いのね……どこの深淵かしらね?」
「……予想はできる。けど、口に出すのは今はまずい」
「……それ程の?」
「へいへい!お嬢さん方!後そっちの辛気臭い話をしてる人!飯ができたぜ!とりあえず腹を満たしてから計画の話をしようぜ!次もどこかを襲撃するんだよな?年末は俺も用事があるから始めるなら年明けにして欲しいぜ!」
「……アンタも元気ね、ラクド」
「ラクドのピザ、美味」
「おぉ!この匂い!いいサラミを使っているな!それにチーズも!儂も久しぶりに味覚センサーを起動しようかのう」
「……お師匠様はそろそろロボットを名乗っていいのでは?」
「……まだサイボーグと言って欲しいわい。肉体残っとるし」
「タジマ……アラタ……か。中々良い実験体になりそうじゃ、ギャッギャッギャッ」
―――――――――
閲覧ありがとうございます!
新キャラ登場ですが特に設定は決めてません。
年末年始編に出てくるかなー……
星、ハート、コメントよろしくお願いします!
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