第1046話 明日の予定

「とりあえず打ち合わせが終わったらダンジョンに入る予定なんよねー。あ、エクス。お前明日暇?」

「……なんで?」

「……心底嫌そうな顔するなよ」

「カッカッカッ!エクスは機械の割には顔に出るからな!」


シュート伯爵が爆笑する。

ぶっちゃけた話、調味料を大量買いするから受取り手伝って欲しいんだよねー。

基本ギルドの方がココストに連絡しているそうなので運ぶだけだけどね。

今日オフだから明日打ち合わせが終わってから受け取りに行こうと思ってたの忘れてた。

トミーから鍋を受け取る予定もあるしね。


「……お前、アイテムバッグあるだろ。ココストに行くだけであとは詰めて運ぶだけじゃないか」

「それはそうだけど。ほら肉を狩りに行くし、受け取りだけでもエクスにお願いしたいなーって。万が一肉取れなかったらお前んとこで通販しようかなって思ってたり」

「……年末に肉があると思うなよ?新年の祝いで世界中から発注が来て発送してるんだぞ?」


デスヨネー……

なら尚のこと肉を集めに行かねば。

オーク肉でもいいけど、量が量なので出来ればワイバーン種を狩りたい。

て事で、俺はダンジョンに潜りたいのです。


「頼む!コミケで物販並ぶからさー……」

「……お前、サークルの位置把握してるのか?」

「基本現地でパンフ買って読んでから行く」

「……論外」

「カッカッカッ!コミケは戦場、今日の時点でウェブパンフを入手して読み込んでおかねば勝てないぞ?特に公式ブースや大手サークルは開幕ダッシュしないと売り切れるからどのゲートから入ってどの順路で巡るかは念入りにシュミレーションしないとな。コミケの常識だぞ」


……が、ガチ勢や。

何ならシュート伯爵からその言葉が出るのが想定外だけど。

確かに、年末なのに雲が出るレベルで暑くなるとは聞いていたけどそれ程なんか。

俺、なんだかんだで数回、しかも入ってすぐ諦めて外をぶらついた人だからなー。


「仕方ない、明日打ち合わせ何時に終わるんだっけなー……」

「うむ、なら吾輩が手伝おう」

「……へ?」


シュート伯爵の言葉に素で声が出ちゃった。


「な、なんでです?」

「先程も言っただろう?コミケは明後日。吾輩明日はフリーだからな。吾輩の行く予定のブースについては既にシュミレーション済みだから今更見直さなくても良いしな。付き添い程度なら参加しようぞ。なに、今日秋葉原について行ってくれるのだ。そのお礼というやつだ」

「な、なるほど……」

「……コミケ5年目となると余裕が出てくるな。流石中堅コスプレ写真集サークル『紅イ伯爵様』のサークル主。新刊落としてるけど」

「いやいや、コミケ8年目の『爆裂無双鉄鋼帝国』には負けるぞ?君、一般参加を含めても10年以上参加しているだろ」

「……ふん」


……うわぁ、エクスのサークル名趣味全開やんけ。

とりあえず明日は朝打ち合わせして買い物しまくりますかー!



その前に、路線図確認しておかないと。

あ、店員さーん。

お会計お願いしますー。

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