第1033話 へ?今から?

「ほーん、じゃあの犬っころんところに凸ってるデーモンオーガをぶっ飛ばせば解決だな!よし、あらたの坊主、いっちょ行ってくるか!」

「はへ?!今からですか?!」

「おう、思い立ったら吉日って言うだろ?面倒臭いことはさっさと片付けるに限るぜ」


にっこりと笑う豪鬼さん。

……わぁ、これ酒が入って酔ってますね。

いや、流石に今日は嫌ですよ。

そりゃ今日は探索があるってことで一日予定空けてるからまだ時間は大丈夫だけど……

明日、年末ライブの打ち合わせがあるし。

ゆりと行くコミケの準備もしないとだし。

あとちょっとそこまで〜のノリで言ってますけど、イサマさん達は深淵住みですからね?!

……そりゃ、イサマさんが逃げる時に使ったらしいポータルがあるっぽいけど、豪鬼さんは聞いてないから教えません。

絶対使うって駄々こねるからね。


「……行くにしても深淵までどうやって行く気だ」

「そりゃおめぇ、お前に力でどーにか。おめぇ、随分前にあらたの坊主んちにコピー機設置しに来てた坊主だろ?そこそこ魔力もあるし、どーにかできるだろ」

「……俺は何でも屋ではない。後めんどい」

「めんどいって……しゃーねーなー。あらたの坊主!あのスキルを使おうぜ、観音様!あれが一発殴ってくれりゃ、下まで穴開けるだろ」

「えぇ……そんなん無理ですから……」

「あぁ?この前アメリカでやってたろ?」


そりゃ、あれはあのダンジョンが異質というか、魔力溜まりがあったからで。

新規で出来たこのダンジョンでもやれない事はないだろうけど、後が怖い。

後から聞いた話、金剛阿修羅大観音の一撃は世界に響いたらしい。

日本でも震度1程度を観測したとかなんとか……

それにここは横浜、人が多いです!

一撃入れてもし、ダンジョン諸共崩壊したらどーすんのよ。

数千人が被害受けますからね?


「ちぇー、つまんねぇなー」

「つまらなくないですから……もう少し落ち着いて」

「……そうだ。ポータル、使うか」

「へ?」


ふと、思い出したかのようにエクスが呟く。

いやいやいやいや、その話は無しだって!

ダメ!絶対!


「ほう?ポータルがあるのか?」

「……一応な。だがすぐ使えるかはわからんぞ?イサマの持つ簡易ポータルだしな。繋がっている先は……おそらく想像は着くが。深淵で観察ぐらいならいいだろ」

「うっし!それじゃ行くか!」

「えぇー……マジで言ってますー……」

「ほら、行くぞ!エクスの坊主もな!」

「……は?!俺は新戦場が忙しいか」

「うるせぇ!行くぞ!グララララ!」

「てめぇも巻き添いだ!エクス!!!」

「……くっ、あーさんを犠牲にすれば逃げれると思ったのに!」


そうして俺とエクスは豪鬼さんに引きづられてポータルへ向かいました。

あぁ、横浜中華街巡りたかった……




「……って、俺の剛力が通用しない?!てか肩に載せないでくださいよ!」

「……これは拘束魔法?オーガは魔法が弱いと聞いていたが」

「ん?これか?いやー、孫達が暴れ回るから保部のとこ行って俺でも使える拘束魔法を作って貰ったんだ。いやー、悪ガキ共をまとめて捕まえられるから助かるぜ!グラララララ」

「……魔力効率が既存の拘束魔法の比じゃないぞ。こんな魔法、並の魔術師では作れない。何者だ?」


……保部の親父さん、何サラッと新魔法作ってるんですか?!

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