第1027話 肉を焼きながらまったり
火に当たっているところをひっくり返して逆側を焼く。
ひっくり返した時に脂が滴り落ちて火が燃え盛る。
表面はカリッと香ばしく焼けていて、いい匂い。
肉を焼いている時は肉の匂いを感じるのが最高だよねー。
いやー、酒飲みならこれで一杯やるんだろうなー。
「くぅ!オーク肉とか久しぶりだな!轟のデブがいるとなかなか食えやしねぇからよー」
「轟……あ、ゴン太の親父さん!あれ?轟さんってオーク肉ダメな人でしたっけ?」
「いや?大好物だから出てきた瞬間全部もっていきやがる。あの時ばかりは俺の力でも奪えやしねえ……」
……何やってるんですか轟さん。
てか、轟さんもゴン太も元々オークじゃん。
ブラックファングオークっていう真っ黒な牙を持つオーク。
……共食い大丈夫なんか?
……まぁ、大好物なんだったらいいのか。
葛葉さんとエクスはイサマさん達に連れられて副菜を作りに行きました。
何でもイサマさん達は野菜を食べるコボルトだそう。
犬が野菜を食べる時代かー……
なので今肉を眺めているのは俺と豪鬼さん、そしてリスナー達だけです。
:あれ?これ焚き火を眺める配信?
:ダンジョン配信でリラックス出来るとは思ってなかった
:おっさん!ジジイの紹介はよ!〈500円〉
:ジジイ呼びでいいのか、肥後の大鬼でいいのか……〈5000円〉
:なんでこの強さで熊本でも情報ないんだ?!
:おっさんの知り合いバケモンばっかりじゃねぇか!
:肉うまそー
……コメ欄はカオスやなー。
さて、お肉を見ているけどまだ焼き上がりまで時間がかかりそうだなー。
流石に肉塊だから後15分ぐらいは焼かないとね。
「……あ、そうだ。丁度いいし、あの肉の味見しようっと」
「ゴクゴク……ぷはっ!オーク肉を見ながらの酒はさやっぱり最高だな!……ん?あらたの坊主、なんかいいこと思いついたのか?」
「サラッと焼酎飲んでますね……いや、さっきボス部屋でクリムゾンミノタウロス?ってのを倒したので少し焼こうかなーって。これ、日本じゃ珍しいらしいので」
「ほーん、ミノタウロスか。随分前に食べたような記憶があるぞ」
「あれ?そうなんです?てっきりよく食べてるもんだと」
「いや、人型の牛だからな?締める時になんかなー」
……気にしないようにしてたのに。
確かに二足歩行の牛だから首落としたらどー見ても人間だもんね、ミノタウロス。
いや、ボス部屋のミノタウロスは全身残る時もあれば綺麗に精肉されてシャトーブリアンだけドロップすることもあるからね??
気にしたら負けですよ、うん。
……今回のクリムゾンミノタウロスは全身残ってるんだけどね。
「……とりあえず血抜きはしておいたからバラしておきますかねー。あ、配信外でやるので豪鬼さん、場繋ぎよろしくです」
「はあ?!お前のチャンネル?だろうが。そのまま解体すればいいだろ?ダンジョン配信なんだから」
「あまりにも赤い画面だとBANされるんですよ!AI診断に引っかかっちゃう」
最近はスプラッター系に厳しいからねー。
ダンジョン配信には怪我が付き物だから昔よりは規制緩和されたそうだけど。
後クリムゾンミノタウロスはそもそもが赤いから肉も燃えるような赤色なんですよ。
1発アウトになりかねないから極力画面には写しません!
お肉の解体動画は他の人の動画を見ましょう!
という訳で解体開始ー。
ギーコギコーってねー。
「……本当に始めやがった。はぁ……俺は飲む!特に話すことないからな?!」
「はーい、それでもいいですよー。カメラが倒れないように見ててくださいー」
「ってことだ。お前らも飲んでろ、よろしく!」
:よろしく、じゃないんだよなー
:昼から酒飲んでるのかい!
:配信主がいない配信とはたまげたなぁ〈500円〉
:後ろでギコギコ音がするの草
:それを気にせず飲んでるじじいも凄いけどな
:肉が焼けるのを待ちながら飲む酒……いいな
:ソロキャンしてぇ!!!
:今日オーク肉食べよう
:俺はミノタウロスかレッドホーンブルの肉買って食べるぜ!
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