第996話 アメリカからのお詫びの品
「……本当に貰っていいんですか?」
「アメリカ本国、大統領からの指示だから問題ないわ。これでもお詫びになるのか怪しいぐらいだけど」
「全然!逆にお金払わないと駄目ですって!」
俺は目の前のものを指さして絶叫する。
今いるのはアメリカ空軍基地の格納庫。
オークションも終わり、いざ帰国……と言うところでリリアさんに呼ばれてやってきた。
今この場所にいるのは日本人メンバーのブラックフェザーの皆さんと俺の家族、そしてリリアさんと立川さん。
目の前にあるのは最初にアメリカにやってきた時に乗っていた卵、もとい最新鋭飛行機がある。
名前は確か……『キラホープ』だっけ?
「ハイジャック事件の件および『四騎士』の討伐の謝礼ね。一緒に整備資料と設計図もセットで渡すわ。技術士や操縦士も十数人日本に常駐させるそうよ」
「……これ、トップシークレットってやつじゃないですか?俺に渡されても困るんですけど」
「設計図と整備資料は日本政府に渡せばいいと思うわ。表向きは技術提供だから……無償のね」
「わぁ……深く聞かないことにしまーす」
「多分それがいいかと。田島さんはそのままで、と上からの指示がありましたので」
立川さんが説明してくれたけど、ダンジョン後進国の日本がやっとアメリカに勝ったって事らしい。
葛葉さんが飛んで喜んでる姿が目に浮かぶよ。
……いや、胃を痛めてたりするかな?
そろそろお歳的にも胃もたれが……イデデデ、頭が!頭が!
「……くっ、まさか読まれていた?」
「……何を悶えているの?話を戻すわ。キラホープはそのまま日本に飛んでもらう。格納庫とかは後程日本政府、ギルドから連絡があるそうよ」
「一旦羽田で整備、保管する予定です。準備が出来次第熊本空港に設置、熊本ギルド所属とする想定だそうです」
「あ、熊本に置くんですね。長嶺さんと福崎さんが頭抱えそう……あれ、専用搭乗口がいるんじゃなかったです?」
「……田島さんなら自前で空飛んで乗れるからそこまで整備する必要は無いかと」
「……俺は飛べますけど家族は飛べませんよ?一緒に飛ぶにしても数回必要ですし」
「あのカンノンサマ?を出せばいいじゃない。手のひらに乗せて乗れるわよね?」
ダンジョンの中じゃないんですよ?!
後あんなでかいのポンポン出してたら俺の魔力が枯渇しますって!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます