第722話 カルパッチョ

もつ鍋をつつきながらワイワイ喋っていると讃岐さんがまた大皿を持ってきた。


「はいよー。次はカルパッチョだ!次は〆の麺持ってくるからあっさりなー……田島さん、見ないうちに焦げたな」

「「「「「「うぉー!!!!」」」」」」


……それは不可抗力ってやつで。

というか、もう〆が来るのか。

確かに時計を見ると結構いい時間でした。

飲み会ってあっという間に時間が過ぎるよねー。


「……あかみ?……はっ!サーモン!ふーか、サーモンすきー」

「……こやつ、本当に酔っとるな。烏天狗は酒に強い種族じゃなかったか?」

「……ほんと、うちの風花がすみません」

「ええやんええやん!ぶれーこーぶれーこー。ばばぁも飲もや!テキーラいる?」

「シバいたろか!?洋酒より日本酒じゃい!」

「葛葉様が暴れると被害がでかいのでやめてください!」


……女性陣は元気だなー。

瑠璃さんはあっちに参加しなくていいですか?

あ、酒飲んでないので大丈夫?デスヨネー。

さて、サーモンのカルパッチョを頂きましょう。

サーモンは綺麗な色。

サーモンピンクって言うんだっけ?

ひとくち食べるとオレンジの爽やかな香りとお酢の酸味がしっかりと感じれてサッパリ!

さっきまで油物ばっかりだったから口がスッキリするね!

ほんのり嗅いだことの無い香り……

カルパッチョってトリュフとか使うんだっけ?

食べたことないから分かんないけど香りすごいねー。


「これ!美味すぎる!このサーモン何ですか?!」

「ココストのアメリカ産のサーモンより美味しいなー。やっぱりダンジョン産?」

「うん、今まで出てきた料理はダンジョン産だろうな。美味すぎる、うん」

「そりゃ、ここにいるヤツは亜人とバケモンだからな!ダンジョン産の食材使わないと勿体ないってもんよ!」

「……しれっと俺とおりんさんを化け物扱いにしてません?」

「あ?おりんさんは亜人枠だろ?バケモンはにぃちゃんだけだぞ?」


それはそれで解せぬ。

けど、ダンジョン産の料理をしっかり食べるのは中々ない機会ですな。

直近だとサヒーリ王女の文化祭で食べたナウロ料理?

ちゃんとしたシェフだともっと前の歓迎会のロールキャベツとかかな?

そろそろ〆なら食材のネタバラシ、よろしくお願いします!


「そんじゃ、今日の食材について紹介していこうか!……の前に〆のうどん用意するな!」

「「「「「ありがとう!店長!」」」」」


このもつ鍋なら〆のうどんは最高だよねー。

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