第601話 模擬店で並ぼう

カイラさん、ミュレさんに連れられて中庭へ。

……人の数えっぐ。

もう入り切らないんじゃない?

椅子が足りてないのは分かるけど広場の横で立ち食いしてる人達もめっちゃ固まってるし。

みんな食べて感動の涙流してる。

……ドラゴンの肉のインパクトすげーなー。

ポイ捨てとかしてないあたり、心が清らかになってたりするのかな?

綺麗なことはいいことです。


「ここがロッ研の屋台」

「うむ、やはり並んでいる」

「そういえば、学生の時もロッ研の焼きそばって人気だったもんねー」

「くんくん……うん、いいスパイスの香り。それに肉はドラゴン?すごく美味しそう!」

「やきそばー!」

「もぐもぐー」


とりあえず注文のために並びます。

番号札順に呼ばれるそうで今呼ばれている番号は196番号。

……俺が持っているのは228番っね。

こりゃ時間がかかるぞ?

人が少なくなったと思ってたけど甘かったかー。


「あらたー。時間がかかりそうならほかの模擬店にも各々並んでおく?食べるの多い方がいいだろうし」

「んー、そうだなー。ゆり、お願い出来る?こっちは俺とりゅうくんで並んでおくよ」

「了解!じゃあちりちゃーん、あっちの串と甘いもの買いに行こうか!」

「うん!わたあめとパフェ!どっちも食べる!」

「じゃあ私とフェリダーで汁物と飲み物買ってこようかな。フェリダー、肩乗れる?」

「にゃにゃーん(おまかせあれーですにゃ)」


よーし、それじゃ田島家お昼ご飯の為に協力しますよ!

りゅうくんは一旦お昼寝しててねー。




「次の方ー……ってカイラとミュレじゃーん。どったの?……へ?!田島さん?!SSSランクの?」

「学科展に来たから連れてきた」

「焼きそば、買ってくれるって」

「どうもー。模擬店お疲れ様でーす。注文いいですか?」

「は、はひ。後でサインください!」


そんなに緊張しなくても……

ただのダンジョンで肉食べてるおっさんですから。

さてさて、注文注文っと。

ロッ研の模擬店は焼きそばオンリー。

味付けはソースだけ。

お肉はドラゴンの肉。

玉ねぎ、もやし、人参が入っていて鉄板で一気に焼いている。

ソースが焼ける匂いが食欲をそそリますねー。

模擬店はこうでなくちゃね!

後でサインも書いちゃいましょう。


「いいっすよー。こんなおっさんで良ければー。あ、焼きそば4人前、ひとつはネギ抜きでお願いしますー。マヨは全部かけてくださいー」

「はい!合わせて4000円です!番号札そのままでお呼びします!お待ちください!」


焼きそば4つで4000円か。

高い!と思ってしまうけど、ドラゴンの肉使ってるからねー。

安すぎるぐらいだよねー。

番号が呼ばれるまで待っている間、カイラさん達と模擬店にいるメンバーを含めてお喋り。


「良き良き。模擬店も賑わってる」

「明日はシフトに入れそう。食材カットは間に合ってる?」

「いやー、間に合ってるってよりは予定よりも出てるからねー。もしかしたら明日の昼には在庫無くなるかもー」

「なんと、そんなに売れてるの?」

「意外。結構買い足してたのに」


何でも今日予定していた分の食材は午前中までにほぼ使い切り、今出している分は明日用に仕込んでたやつだそう。

……こりゃ早めに食べて回った方がいいかもなー。




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