第583話 母校から感謝状を頂く

「うわー、久しぶりの大学だー」

「わー、懐かしいね!あ、応生棟まだあるんだ!」


さてさて、文化祭前日になりました。

今日は母校、崩城大学にゆりの2人で来ております。

平日の金曜日だからねー。

ちりちゃんは小学校、りゅうくんは幼稚園です。

俺は有給を使っております。

流石に影響がありすぎて松本代理から心配されたよ……

何でも新幹線の自由席も取れなかったらしく、福岡日帰り出張が止まったそう。

……ほんと、すみませんでした。

今度お詫びでバーベキューにご招待します。

好きなお肉を言ってくださいね……


さて、なぜ今日崩城大学に来たかと言うと学長に呼ばれたからです。

一応今回の学園祭で一番協賛してるからだからだそうで、元々は花畑さんが来る予定だったけど予定が入ったとのことで俺が来ました。

まぁ、ギルドから今回の件でサポートしてくれって言われているのでそれも込みで来た感じです。

ビシッとスーツで来てるから周りから浮いてる浮いてる。

早くやる事やってしまおう……




夕闇ヶ丘学園 崩城大学

俺は4年間通学した熊本県内でも有数のマンモス校。

まぁ、思い出がサークル活動と留学と坂道を昇ったことしかないけどね!

本当に、坂が凄かったもん。

マジで太もも鍛えられた。

坂嫌いすぎて教務部に黙って坂をエスカレーターに魔法で置き換えて怒られたのが懐かしい……

あのころは若かった。

もう卒業して10年近くなるけど、今でも遊ぶ仲間がいるし、なんだかんだ楽しかったなー。




「お待ちしていました、田島様、奥様。こちらへどうぞ」

「あ、はい。今日はよろしくお願いします」

「御邪魔しまーす」


正面ゲートから来客用駐車場に車を停めて大学の本館に入ると出迎えの方が。

そのまま7階の応接室へ案内されました。

本館、学生時代もよく来てたけど変わってないねー。

応接室には既に人が集まっていました。

中央に座るのは白髪混じりの男性。


「ご無沙汰だね。会うのは授業以来かね?田島くん」

「ご無沙汰しています。西原先生……西原学長ですかね?」

「ふふ、学長か。まだ任命されて1ヶ月も経ってないから呼ばれ慣れてないよ。先生でいいよ先生で」


崩城大学学長にして、情報学部学部長西原憲一郎(にしばる けんいちろう)先生がそこにいた。

西原先生は俺が学生時代に教えていただいた教授。

専門は音響と電子通信。

元某有名情報通信企業の主任研究者として30年間勤めてその後崩城に来られた異色の経歴を持つ教授。

有名な研究だとダンジョン内での電子機器の性能維持やダンジョン内からの音声送信技術。

つまり、今ダンジョン配信が出来ているのは西原先生の研究成果だったりする。


……ほんと、すげー先生だよなー。


崩城、教授陣がとても地方とは思えないぐらいすげー先生が多いんだよ。

芸術学部に日本で有名な少年誌の編集長がいたり、国産新型ジェット機のメインエンジンの設計に関わってる方がいたり……

よくこの大学に受かったよなー俺。


「さて、今日は学園祭の協賛をしてくれた感謝状の贈呈とプレスリリースをしようと思ってね。仕事が忙しいのに悪いね」

「いえいえ、自分も学園祭が盛り上がると思って……ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありませんでした」

「ん?あー、ドラゴンの肉の件か。あれはあれでいいじゃないか。学生が自分で考えて行動する。その影響力がどうなるのか、実際に感じることが出来て成長に繋がる。いい機会じゃないか。君が学生時代にやった事に比べたら些細なことだよ」

「……そこを突っ込まれると痛いですね」


……まぁ若気の至りってやつで。




西原先生と話した後、他に集まった教授陣の方と挨拶をして感謝状をいただきました。

いやー、金額聞いたけど結構ガッツリ協賛してたんですね。

それだけスパチャ貰ってたんだねー。

その後ニュースにする用の取材を受けて写真撮影を終えて応接室を後にしました。

いやー、こういう取材は初めてですよ。

前は同級生のサオリンだったからラフに答えてたからね。

いやー、疲れますわー。






―――――――――

閲覧ありがとうございます!


この小説はフィクションです。実在の人物、団体などとは関係ありません。


ちゃんと明記しないとですね!


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