第580話 いいこと思いついた!
「はっ!うまい!」
「お、戻ってきたねー」
「時間としては25分ぐらいかのう?」
「ん、シン遅い」
「……ひでーこと言うっすね。あれ?時間が進んでる?」
近見君の意識が戻ってきたようで良かった。
多分近見君が一番一般人に近い感覚だと思うからいい実験になるね。
美味いものを食べたら人は何分固まるか。
……中庭の飲食スペース、多めに用意するように伝言残しておいた方が良さそうだね。
こりゃ固まった人達で通路が埋まるぞ?
それもそれで面白そうだからアリだけどね。
「いやー!美味いっす!初めてミノタウロス食べた時の感覚なんて吹っ飛んだっすよ!一撃ドーン!の衝撃と後からどばぁってやってくる2段構え!野菜も美味しいっす!コメも美味い!最高っす!!」
「ふははは、そこまで言って貰えると嬉しいわい。ほれ、ヨーグルトソースをかけてもうひとつどうじゃ?」
「いただくっす!はむっ!」
………………あ、固まった。
うん、こりゃ本格的に立ち食いは遠慮してもらった方がいいね。
今藤さんでも軽く食べる度に2、3分止まってるから尚更ですね。
ドラゴンの肉、ここまでとはねー。
芸能人の方々はやっぱ美味いもの食べてるからあんなにすんなり受け入れてくれたんだろうなー。
「いやー……こりゃ模擬店の料理は結構考えないといけなくない?最悪食べた人を担いで横にどかさないといけない気がする……」
「まぁ、祭りじゃし?どういう祭りか内容聞いてないが、人が集まるならそれも一興じゃろて」
「……それはそうなんだがなー。あ、そうだ。トミー、ドラゴンの肉って全部で何キロあるんだ?俺に渡すって言ってたヤツ」
「ん?……確か、ドラバラと足、尻尾で儂の備蓄を減らして約950キロじゃな。シン達に渡したのは50キロクラスじゃし」
「えぇ……1トン渡す気だったのかよ……流石に俺でも食べれんぞ。子どもたち含めても食べきれんわ!」
「はて?いつぞやドラゴン1匹食べ尽くした男がおったのう……?ん?忘れもせんぞ?塩とタレだけで骨ごと食っておったのうー」
……それは若いときだから。
しかもしっかり運動後だったし!
お腹空かせばひとりで500キロでも1トン食べれるけどさ!
最近、大食いすると翌日のトイレがきつくなってね……
まぁそれは置いておいて。
そんなに食べれないのでお肉はガッツリ2人に渡そう。
とりあえず家には100キロ、近見君達には合計900キロ渡すことに。
これで大学の模擬店全部でドラゴンの肉を使えば大丈夫でしょう。
皆平等に模擬店で肉を使って、それを食べて食べれて気絶した人も介抱出来るし、食べ慣れることでぶっ倒れる人を少なく出来る。
なかなかいい考えじゃない?
良き良き。
「……何じゃろ?誰かを怒らせる未来が見えるぞ?」
「ん?気のせいじゃない?大丈夫だって。とりあえず肉、近見君に貸すアイテムバックに詰めてしまおう。ついでに俺が持っていく予定だったミノタウロスの肉も入れてしまおう」
「ほほー。このミノタウロスは中々の赤身じゃのう。儂にも分けて欲しいのう」
「ん、ミノタウロス?それなら問題ない。ミノタウロスは一年生でも狩れるから」
「お、コトリは食べ終わったか。ありがたいのう。ツマミで酒とかいるか?」
「んー……酒よりは食べ物が。あ、魔導書があれば読みたい」
うーん、ブレない。
だがそれでこそ若者です。
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