第444話 オフの2人とコラボ
「なるほどー。種子島さんもツリステのファンだったんですねー」
「こっちも驚きましたよー。田島さん、ツリステやってたなんて。奥さんですか、はじめましてー」
「はじめまして!あらたの妻です!声はよく聞いてます~。ウィン様推しなんですねー」
種子島さんとゆりがツリステの話で盛り上がっております。
さすがにコラボカフェに居座るのもあれなので一旦離れて喫茶店に来ております。
……ここのコーヒー、美味しいなー。
豆売ってるなら買って帰ろうかな?
「……田島さんでしたっけ?」
「あ、はい……そういえば、本名聞いてませんでしたね」
「嵐山美琴(あらしやま みこと)です。どうぞよろしく。Vの方はご存知ですよね?」
「巫女様ですよね?配信に来て頂いてありがとうございます。お酒は今渡せないので今度事務所宛に送りますね」
「え?!今貰えないんですか?!」
「……持って帰る気だったんですか?あれ、一升瓶より大きいですよ?どーやって持って帰るんですか?」
「……手に持って」
一升瓶持って山手線とか乗れないでしょう……
そもそも蛇王神酒は見た目が特徴的だから俺の配信見たことある人なら気づきますよ。
貰えないことで落ち込んだのか元々小さい身体がさらに小さく見える。
……本当に小さいですね、巫女様、もとい嵐山さん。
公式で140センチって言ってたけどマジじゃん。
この方、Sランクなんだよねー。
人は見た目によらないとはこのことですね。
「……は!電車を使わなければ持って帰れるのでは?!」
「美琴先輩、私たちのマンション、神奈川ですよ?ここからだとタクシーでも5桁行くんじゃないですか?」
「でもぉー……でもぉー……お酒があるんだよぉ……」
「……すみません、うちの先輩が」
「いえいえ、配信通りというかなんというか」
本当にお酒好きなんだねー。
お酒飲めない俺としては羨ましい限りです。
種子島さんと嵐山さんは今日はオフの日だそうで、コラボカフェに来てたようだ。
この後は色々買い出しをしてマンションに帰って配信準備だそうだ。
オフコラボですって奥様!
気になるねー、後でアーカイブ予約しておこう。
「……酒……飲む……飯?……オフ?はっ!!」
突然、嵐山さんがバッと立ち上がる。
「せ、先輩?!いきなり立ち上がって何事ですか!」
「オフコラボに田島さんを呼べばいいじゃない!お酒配達してもらえば一石二鳥!!!ツマミに深層のモンスター持ってきてもらえれば一石三鳥!!!」
「てい!」
ぱこんっと音が鳴って種子島さんが嵐山さんの頭を叩く。
「いった~!何すんの種ちゃん!」
「そんなこと出来るわけないじゃないですか!SSSランクのなんだと思ってるんです!そもそも田島さんはテレビ収録で来てるんですからそんな時間は無いですよ!?」
「なんでじゃ!いい考えではないか!田島殿だって配信で出てくることで視聴者確保になるしの!」
「家族の時間を考えてください!後、口調!巫女様が出てます!」
そうです、今は家族旅行タイムなのです。
テレビ収録が終わったのであとはゆっくり東京見学なのです。
配信しろーって花畑さんが言ってきそうな気もしないでもないけど家族優先です!
「むぅ……いい考えだと思ったんじゃがのぉ……あ、思ったんだけどなー」
「あ、コラボ配信するの?じゃーあらた、行ってきたら?」
「「は?!奥さん(ゆり)、何言ってんの?!」」
「ふふ、2人とも声ハモって笑う。明後日は飛行機の時間があるし、明日とかなら大丈夫。コラボカフェとか満喫出来たし、たまにはひとりで東京散策したいしねー」
ま、まじかー……
それは予想外だったよ……
まぁ、ゆりがOKならいいかー。
とりあえず明日緊急でオフコラボを実施する方向で動きます。
種子島さんと嵐山さんはねおばーちゃるのマネージャーさんに電話。
俺は花畑さんに連絡して、オフコラボのやり方とかセオリーを聞いておきますかねー。
あ、食材とか用意するならダンジョンに潜らないとダメだよね?
ならギルドにも連絡せんといかんやつ?
うーん!分からん!とりあえず電話しよう。
「……で、ゆり、許可した理由は?」
「乙女ロードで1日過ごしたい。グッズ買いたい。同人誌買いたい。執事喫茶で過ごしたい。コスプレしたい」
「あ、(察し」
趣味、満喫してください。
――――――――――
閲覧ありがとうございます!
明日から1日2話です!
もう下書きがない!
次無理するなら年末ですねー……
星、ハート、コメントよろしくお願いします!
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