第211話 説教

「……あんたたちさー……加減と言うものを知らんのか!」

「「「「てへっ?」」」」

「てへ?じゃないから!なに考えてるんですか!」


祝賀会にミミと福崎さんの声が響く。

俺、ゴン太、ゆり、ちりちゃんの4人仲良く正座しています。


祝賀会の料理はオードブル形式だったので開幕と同時に皆が各々取りに行ったわけですよ。

今回はサヒーリ王女の祝賀会なので和食多め。

肉じゃが、ロールキャベツ、ナスの揚げ浸しに、焼きナス、キャベツの浅漬や味噌汁が並ぶ。

メインはミノタウロスの照り焼きと白絹鮎の塩焼き。

俺と大九田夫婦が集めた食材を使用してるやつですな。


で、俺とゴン太はミノタウロスの照り焼き、ゆりとちりちゃんは焼きナスとロールキャベツをしこたま食べて、空にしちゃった……

まぁまだ余裕はあるらしいけど主役のサヒーリ王女を差し置いて黙々と食べていたわけですからそりゃ怒られますやねー


「持ってきた食材全部身内で食べる気か!そもそもロールキャベツはゆりも作れるでしょ!」

「……だってー、家で作るの面倒なんだもーん」

「じゅーしーなろーるきゃべつはなんこでも食べれるんだもーん」

「ちりちゃん、お母さんの真似はしないように。ゆりはもう少し料理上手くなりな……」


ロールキャベツ、旨かったよな。

キャベツがとろとろなのもあるけどナイフで切ったら肉汁がドバッと溢れて、一口食べるとキャベツの甘味と肉の風味が口に広がって幸せになる味だった。

俺とゴン太も2個食べたけどゆりとちりちゃんは5個ぐらい食べてたもんね。


「……ロールキャベツ、俺ももう少し食べたかったな」

「確かにー。おかわり来たら貰おうかなー」

「おい、暴食コンビ。お前らは反省と言う言葉はないんか?ん?肉何枚食べた?」


ミミの口調が学生時代に戻ってきてるな……

本当にお怒りモードやん……

いや、照り焼きソースが美味しくてですね。

さっぱりしたソースのお陰で肉の脂を相殺してくれて何枚でも食べれちゃうんですよ。

そもそもミノタウロスの赤身は脂が少ないのにとても柔らかいからナイフを使う必要がないぐらいトロトロで……


「言い分けはよろしい!4人とも反省しなさい!」

「「「「……はい」」」」


福崎さん、やっぱ強いわ……



ちなみにりゅう君は焼きナス食べた後そのまま寝てしまいました。

これだけうるさくても起きてこないのは大物になる予感がするね。

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