第188話 薪探し

倉庫でカレー作りの準備。

竈はセーフゾーンで魔法で作るとして薪が足りないな。

一応道中で倒したトレントの枝があるけど、乾燥が甘いから火が付きにくいんだよね。


「ティム君ー、薪とかある?着火用の火が着きやすいやつ」

「あー……旦那、すみません。うちは火を消さないので継ぎ足し用の薪しか」

「そーかー……」


そういえば薬の調合で温度管理が必要とか言っていつも暖炉に火をいれてたなー

それなのに部屋の中は適温に保たれてるってすごいよなー


:着火なら松の木だよな

:ダンジョン産の松ってあるか?

:確か黒鉄松ぼっくりっていうアイテムがあるぞ(URL)

:鉄みたいに固い木じゃねぇか!火付かねぇ!


コメントもパッと思い付かないみたいだな。

さて、困ったな……


「俺に火属性の適性があれば……」

「気にしない気にしない。最悪ドラゴンの火でも見つけて持ち帰ればいいから」


:ドラゴンの火www

:そんなバケモンみたいな発想、おっさんだけだわwww

:田島さん、探索者チームが近くにいたので火種は大丈夫です。これ以上、本当に、頭痛の種を増やすな〇熊本県ギルド本部

:ギルドからのコメントwww

:今日はギルド公認だったのかwww

:てか、きれてるじゃんwww

:公式アカウントキレさせるって、なにやってんのwww


あ、そういえばギルドの人が来てるの説明してなかった。

何なら説明文にも書いてないよなー。

ミスったな。


「そうそう、いい忘れてた。今日は熊本県ギルドの職員さんも来てます。ギルドの方からカレーが食べたいとの声をよく聞いていたので一緒に食べようということになりました」


:あーね、ギルドからの指示か

:ギルドが個人配信に参加してるとかwww

:経費はギルド持ち?

:経費は自腹で、あとカレーを食べたがってたのは支部長ですので。あと裏でポーションを探さない!〇熊本県ギルド本部


……多分福崎さんだよなー、コメント書いてるの。

何でお詫びのポーション探してるのばれたし。

けど、探索者チームが来てるのか。

時間を見るともうすぐ20時30分

24時間開いてるダンジョンとはいえ中々人がいない時間だよな。

もしかして、リスナーだったり?


「もしや、リスナーが来てたり?何人ぐらい集まってますか?」


:4人パーティーです。お腹がすいてるそうなのでがっつりカレー食べたいそうです〇熊本県ギルド本部

:定期報告チャットでしてて草

:仲がいいなw

:地元の親戚感やばw


4人追加なら全然余裕だな。

鍋追加で持っていかなくて良さそうだ。

とりあえず火種も準備も要らなさそうだし、上に上がりますかねー





あ、倉庫からポーションじゃなくて素材を持ち帰ったよ。

後日換金して貰おうー

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