第151話 ランファ
「親方ー、あらたさんをつれてきたよ」
「うぃー、ヒック……ちょっと待ってろー……ヒック」
「もー、親方!5本も飲んでる!片付けますよ!」
「なぁーに、5本ぐらいどーってことはないぞー」
「……うん、相変わらずだな」
山小屋の中に入ると酔っ払ったじいさんが酒瓶をもってほろ酔いだった。
……こいつ、素面だったこと一度もないんじゃないかな?
「よぉーよぉー、あらた。久しぶりだなー。会うのは2年ぶりか?」
「この前カレー食べたときだからそんなもんかな?久しぶりだなランファ」
「ウィーック。色々やんちゃしとるそうでSSSランクになったって?やっと実力が認められたな!ほれ、祝い酒じゃ!のめのめ」
「俺は肝臓が弱いの!酒飲めないっていつも言ってるだろ」
「なーに、エリクサー飲めば酔いなんて一発ぞ。ウコンよりはスッキリじゃ」
「そういうもんじゃないの!」
俺は遺伝的に肝臓が弱いからお酒が飲めない。
まぁ大学時代、やんちゃして止めを差した感は否めないけど……
基本酒は飲みません。
「ちぇー、連れないのぅ。ティムー、あらたに茶持ってきてくれ」
「はい!親方!」
黒フードが奥に走っていく。
そこらじゅうに瓶が転がってるのにヒョイヒョイ避けていく。
「……弟子とったんだ。いつから?」
「ウィーック、ほらアイツ、1つ目巨人の鍛冶屋。アイツの知り合いからお願いされてな。去年から面倒を見とる。元々腕はいいと聞いておったが中々見込みがあるわい」
あー、トミーか。
そういえば飲み友達って言ってたっけ。
「薬屋ランファがそう言うなら相当な腕だな。そろそろ世代交代?」
「カッカッカッ、そりゃ無理じゃ。ワシをなんだと思っとる?『白沢(はくたく)』ぞ。秘中の秘は一族相伝じゃからな。腕はいいがまだまだ子どもよ」
ランファがニヤリと笑う。
白沢は中国で神獣として崇められている。
その知識は万物を知っているとも呼ばれている。
確か白沢が出る中国のダンジョンは知識を求めて連日世界中の学者が潜ってるそうだ。
まぁ、ランファは酒のために一族の住処から世界中を巡ってるらしいけどね。
年齢的にはトミーより上の筈だからそろそろ身体を労って欲しいところだよね。
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