逆転の勇者様!〜人生で脇役ばかりしてた俺だけど「コンプレックスまみれの美少女たち」の異種族ハーレムで重すぎる愛と淫らなご奉仕を受けつつ成長チートで世界を救ってます〜

じょぶおんりー

プロローグ「清純な姫君たちの淫らなもてなし」

寒冷な北方、帝都からはるか彼方に存在する要塞都市ザクセン。

邪悪な悪魔の軍団を撃退した戦功で街中から賞賛と感謝の嵐を受ける存在になっていた俺は、街のパレードに参加していた。


本当は共に剣を並べて戦ってくれた彼女たちとも一緒に参加したかったのだが......。人目に触れることを嫌がる彼女たちに無理強いは出来ず、俺は街中の歓声を独りで受け止めていた。


今でこそこんな風に英雄としてたたえられてはいるが、この世界に転移してきた当初は指名手配されたり奴隷として売り飛ばされたりと散々だった。


だが、それも今や昔。時の流れとともにかき消されていく過去の想い出だ。


俺は市街で”この世界基準ではと評される婦人たちからの求愛の花束を申し訳なさそうに微笑み丁重に断りつつ、パレードを終えて自分の根城にしている拠点へと足を運んでいた。


屋敷の重い扉を開けると、美少女たちから放たれる甘いみつのような香りが鼻をくすぐり、それだけでよだれあふれそうになる。


俺の顔を見ると懸念けねんの色を浮かべていた彼女たちの表情が、一瞬で春の花のように明るく咲き誇り、とろけたような瞳は熱のこもった視線を投げかけてくる。


そのことに俺はいつものことながらオスとしての興奮を覚えずにはいられなかった。


「あっ!貴方ダーリン!ようやく帰ってきたのね。疲れたでしょう。脱がせて上げるわね」

「あ......ご主人ちゃん。お.......おかえりなさい.......」


紫色の髪と桃色の髪をした二人のエルフの美女が、俺にかしずく。


彼女たちに身を任せていると体から装備が次々と外されていく。

鎧、ガントレット、ブーツ、最後に彼女たちが外したのは、胸当てだ。その下には薄い肌着だけが残されていた。


「これで少しは楽になったでしょう?」と二人が妖艶な手付きで肌着の下に手を入れて触れてくると、俺の身体にピクピクっと小さな快感が走った。


「屋敷の窓から君が熱烈な求愛を受けているのを見てもうハラハラしたよ。でもまたこうして僕の元に戻ってきてくれて、心から安心した.......」


潤んだ瞳を称える竜人族ドラゴニュートの碧眼の姫は自分の長い金髪を後ろでくくると、俺の身体をお湯で暖めたタオルで丁寧にぬぐってくれる。


彼女の大きくツンとした胸の先が身体に当たるたびに、俺の中でムラムラとした気持ちが大きくなっていく。


気をそらすために頭の小さな可愛らしい竜角を撫でてやると、そのたびに彼女は小さく「......ンン」と甘い吐息を漏らしてくるのが愛おしい。


「クロダ、外は寒かっただろう、これで温まってくれ」


銀髪のフェンリルの娘はいつもはクールなその顔を真っ赤にしている。


彼女は手に持った温かいミルクを口に含むと、それを俺に口移しで飲ましてくれた。


彼女の唾液だえきの混じったミルクは甘露かんろのような味わいで、疲れていた俺の体は活力を取り戻していく。


「ほらリュート、パパが帰ってきてくれたぞ」


屋敷の台所からは生後一ヶ月ほどの俺の息子を抱えた金髪のダークエルフが出てくる。褐色の肌は赤ん坊を生んだ女とは思えないほどにみずみずしく輝いている。


元から大きかった彼女の胸は妊娠・出産を機に一層パンパンに張っており、緩いキャミソールの胸のあたりには染み出した母乳で湿った後が出来ていた。


彼女は眠っている赤ん坊を抱えたまま俺に力なげにもたれかかると「お前の赤ちゃんなら何人でもはらみたい」とささやき、耳の中をピチャピチャと媚びるように舐めてくる。


なめらかな透き通った肌、パッチリと大きな瞳、引き締まったウエスト、こぼれそうなくらいに豊かな胸と尻、そして長くすらりとした脚」――そういった彼女たちのような姿の女こそ、俺の理想だと何度も語っているのに。


この宝石のような美女たちは、未だに俺がこの場所にちゃんと戻って来てくれるかどうか心配なようで、皆その瞳を劣情に濡らしていた。


そんな見た目とこれまでの経験から来るコンプレックスで自信が持てない美姫びきたちから目一杯の重すぎる愛と奉仕を受けながら、俺は男としての幸せを噛み締めていた。


こんな頼りなくて中身も外見もダメダメな俺が美少女たちのハーレムを築き上げることが出来た理由を説明するには……さかのぼること2年、あの神との邂逅かいこうまで時計の針を戻す必要があるだろう。


〜〜〜〜

俺の名前は黒田クロダ。ごく平凡な一般人。特筆すべき点といえば、その年齢に見合わない恋愛経験のなさと、異様なまでの性欲だろうか。まぁ当然のように童貞だ。


常に日陰者な人生を歩んでいる俺の密かな楽しみの一つが寝る前の妄想遊びだ。


寝具に身を沈め、目を閉じると、そこは俺だけの秘密の妄想世界。


妄想の中での俺は、テロリストからクラスを救ったり、無敵の特殊部隊員として国を守ったり、世界中が注目するプロ野球のスター選手として日本代表を務めたりする。


妄想の世界の俺は、英雄として美女や美少女、可憐なロリータを侍らせ、深夜のうたげを催す。


とても人様に話せるような趣味ではないことは自覚しているものの、この精神的な快楽を追い求める習慣は、思春期からずっと俺の中にきざまれている。


そんな俺の就寝前の妄想ワールドの最近のトレンドは異世界もの。


"プロ小説家になろう"というフリーのウェブサイトによく連載されているような中世ヨーロッパ風の世界観を舞台に、俺はドラゴンや魔王を打ち倒し、美しきヒロインたちを救出する――そんな妄想を楽しんでいる。


さて今日もそんな妄想遊びにきょうじようと、と布団へ身を沈めてまなこを閉じた瞬間、突如として異様な浮遊感に襲われた。驚いて身体を起こそうとすると、眼の前にはどこまでも無限に広がる白銀の空間が広がっている。


一体何が起こったんだ? 過労で頭がおかしくなってしまったのか、それともすでに眠って夢を見ているのか?


「クロダよ、目覚めるのじゃ」


そんなことを混乱する頭で考えていると、突如として視界の中心に、仙人を思わせる風貌の老人が現れた。


「ワシは神じゃ。クロダよ、お前には今まさに滅びようとする世界を救って欲しいと思っておる。もちろんそれに見合った相応以上の力を与える」

「神様?世界?相応の力?」


どうやら、この老人――自称神様――は、俺にチートな能力を授け、何処か滅亡寸前の異世界を救う役目を負わせたいと言っているようだ。


……どうやら俺はなろう系異世界転生もの小説に入れ込みすぎて随分とリアルで御都合主義な夢を見てしまっているらしい。


「せっかくの機会じゃから、どんなスキルが欲しいかを伝えておくれ。そして召喚されたい世界の願望も教えてくれるかの」

「それなら、召喚先は中世ヨーロッパ風の世界が良いです。能力は成長ブーストと、自分と他者の能力や特殊スキルが見えるものが欲しいです」


俺は夢の世界ならば、と何の遠慮もなく要求していく。


「あ、後はすぐに死んだり極端に痛いのも嫌なので、超速で再生する能力と痛覚を遮断できる能力もお願いします」


まだまだ要求するぞ!どうせ夢の世界なんだから!!


「異世界に行って文字とか言葉に苦労するのも嫌なので言語理解の能力もお願いします。年齢も少し若返らせてください。それからとにかく完全無欠なイケメンにしてください!!!」


ふむふむ、どこからから取り出した羊皮紙に羽ペンを走らせながら聞いていたこの老人――神――は、「イケメンにしてください」という俺の最後の要望を聞いて、筆を止めた。


「イケメンにして……とは?クロダよ。お前は女子おなごに好かれたいのか?」

「はい、その通りです」

「ほうほう。それなら、あの世界がふさわしいか」


老人はそれを聞いて少しだけ逡巡しゅんじゅんした様子を見せたものの、すぐにニヤッと笑って何かを書き込んだ。


「では良き人生を。その世界の命運は、お前に託されているぞ」


神がそう告げた瞬間、俺の全身が激しい光の渦に飲み込まれた。


「世界と醜女しこめな彼女たちを救ってやってくれ。あの美醜が逆転した世界でな」


神が最後に何か笑いながら言っていたような気がするが、俺はその時にはすでに気を失ってしまっていた。


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