小学校 短歌連作

ゆっくんがあらわれた

小学校の思い出

小学校入学の日に弟が産まれてひとり家族が増えた


太陽のように明るい挨拶が飛び込んでくる集団登校


あの頃は仮面ライダーゴーストになれるはずだと信じてたのに


背中より大きなランドセルを背負い詰まった夢を配って歩く


ランドセル背負い改札口通り鳴るピヨピヨが僕らの証


牛乳の箱で作ったロボットをゴンザエモンと呼んだ少年


栗のイガかぶせた猫のぬいぐるみハリモグラだと2年の男児


手をつなぎ跳ねる黄色い雨合羽かえるの歌と土のにおいと


スポ少のドッジ初めて通った日6年生の背中でかくて


ブランコのくさり切れたら宇宙まで飛んでいくから乗るのをやめた


ランドセル背負う歌声元気よくささの葉サラサラ置き場に困る


画用紙をラップの芯に巻き付けたロケットが今空に消えてく


理由あって少年ドッジの30番僕らのチーム永久欠番


自転車で晴れとくもりの境目を追いかけていた小三の夏


授業中熱いバトルを交わしてる魚博士と恐竜博士


校庭でドッジの場所を取る線が線と重なる三年二組


校庭で初めて乗れた一輪車転んだキズも勲章になる


小鳥たちスイミーみたく群れで飛ぶ空か海かが違うだけだね


教科書の白いぼうしのタクシーに出会うと香るあの夏みかん


パンという音鳴り響き戦場に変わる青空赤白帽子


頑張れと言われて弾む赤組の帽子が父の姿を探す


自転車でプールバッグをかごに載せ路面電車と競争した日


罰ゲーム:ジャングルジムのてっぺんで好きな子の名を大声で言う


帰り道見えぬ魔王と戦っている少年の傘はライフル


ねぇ先生児童館前ブランコに火の鳥の羽根落ちてたんだよ


円陣を組んで気持ちを一つにし優勝するぞドッジ大会


下校中大きなのっぽの古時計ロックのように激しく歌う


夏の朝狙う視線にカブトムシ虫取り網と麦わら帽と


夏休み自由研究模造紙のイソギンチャクにあふれる想い


本物のまわしを締めて土俵入りかっこいいかなちょっとはずいな


塩を撒きわんぱく力士にらみ合うふたりは普段塾の友達


箱メガネ覗きサワガニ探してる水着のおしり天に突き出し


全国を目指しドッジをしていたがコロナで消えた小6の夏


夏休み終わりマックロクロスケが集まってきた五年一組


サンタ様 悩んだけれどもうすぐで中学だからバッシュください


制服の採寸の日の初めての黒い学ラン少しワクワク


小6の卒業式の練習でもう泣き出した旅立ちの日に


6年前雛鳥だった君がもう旅立ちの日に学ラン姿


桜舞い天使の羽に別れ告げ少し大きな詰襟揺れる


改札機ピヨピヨ鳴らず少しだけ大人になった中1の春


思い出のアルバム歌う弟はもうすぐぼくの母校に通う






うたの日の小学校短歌をまとめて連作風にしました。寄せ集めですが、懐かしいと思ってもらえたらうれしいです。

読者のみなさんの心に一首でも響いてもらえたらいいなと思います♪

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小学校 短歌連作 ゆっくんがあらわれた @Yukkunga

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