母ちゃんのカレーライス

こた神さま

母ちゃんのカレーライス


俺の母ちゃんは、太っちょ母ちゃん。


若い頃は痩せてたらしいけど、そんな事、俺は知らない。


「若い頃は痩せてて、美人だったんだ。」


これは、父ちゃんの言葉。


「そんな事より、優しくて気がきいてて、料理も上手なんだ。」


これも、父ちゃんの言葉。


俺から言わせてもらえば、ガミガミ母ちゃんで、いつも大口開けて笑ってるし、料理だって、一週間に一度はカレーライス。


一週間に一度と言っても、カレーを作る時には、大鍋で作るものだから、三日ぐらいは、カレーなのだ。


母ちゃんいわく。


「だって、カレー簡単だし、美味しいだろ?」


つまりは、手抜きである。


「たまには、ハンバーグ作ってよ。」


俺が言うと、


「結構、ミンチ高いのよ。」


だってさ。


あーあ……。


友達に、母ちゃんを紹介するのも恥ずかしい。


デブっちょだから、家にいる時は、いつもジャージだし、出掛ける時も、ゴムのズボン。


友達の母ちゃんなんて、普段から化粧をして、お洒落をしているのに。

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