第251話

 俺が普段から使っているスマホの待ち受け画面にはみんな(妻と婚約者)の顔が表示されている。


 もちろん、スマホのロックを解除してから妻や婚約者の顔をタップすると、タップした妻や婚約者に関する画像が表示されるけど、これは画像フォルダの中から自動で選別されてタップした人物に関する画像を表示してくれる。

 普通に使っていたから特別すごいとか考えた事なかったけど、改めてよく考えるとすごく便利な機能だよね。


 すべてのスマホに付いている機能だけど、元々は、結婚した相手(女性)の顔を覚えようとしない男性のために開発された機能らしい。


 つい余計な事を考えてしまったけど、今は朝のホームルームが終わり小休憩に入ったところだ。

 

 俺はポケットからスマホを取り出しロックを解除してから香織の顔をタップした。


 ——ふふ……


 すると、生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこしている香織と、お義母さん、詩織(香織の妹)さんが満面の笑みを浮かべている画像が表示された。


 短いけど動画だってある。そう、昨夜、香織との子どもが無事に生まれた。


 出産を終えたばかりで、スマホを操作できない香織に代わって詩織さんが連絡してくれたんだけど、無事に生まれた事が嬉しくて、撮影が可能なら写真と動画を送ってほしいと頼んだんだ。


 俺からすると普通の事だと思っていたのに、詩織さんだけじゃなく香織やお義母さんから驚かれてしまった。

 

 どうも、男性は全くと言っていいほど子どもに興味がなく、それどころか嫌っている、というのが女性たちの認識。


 俺の言葉も本心ではなく、出産を控えていた香織を気遣ってのものだと思っていたらしいのだ。


 出産時には必ずヒーリングの使える治療士の方が待機しているので前世よりも安心。だから、俺は自分の子どもの誕生を普通に楽しみにしていたんだよ。嫌いになるわけない。


 その事を伝えたら、香織(義母、妹含む)たちからは感謝され、すぐ近くで(電話を)聞いていたみんな(妻たち)は嬉しそうに笑みを浮かべいた。


 それからというもの、以前から世話をやく事が好きな妻たちが今まで以上に世話を焼こうするからちょっと困ったよ。


 おっと、話が逸れてしまったけど、それで生まれた子どもは香織似の可愛らしい女の子で、名前は美織(ミオリ)。


 名前は香織のお婆さんに付けてもらった。


 お婆さん、お腹の中の子どもが女の子だと分かってからずっと考えくれていたからね。


 ちなみに男性(父親)が子どもの名前を付けることはない。


 念力量や資質レベルも野原一族の中でもトップクラスだったらしく、昨晩は親戚が集まり宴会騒ぎ。


 後でミルさんから聞いたけど、念力量は成長とともに変化するらしいのですぐに測定する必要はないらしい。

 でも、希望すれば(女の子のみ)測定してもらえるとのこと。


 俺も我が子の誕生にみんながそこまで喜んでくれると嬉しくなり、せっかくだからとテレポートで飛んで少しだけ顔出したら、すぐに後悔した。


 みんなはすでにベロンベロン状態で、中には「私も子どもが欲しい」と服を脱ぎ出す人までいたから大変だったんだよ。


 ミルさんが素早く対応してくれたので、変な事にはならなかったけど、この場に留まるのはまずいとすぐに思ったね。


 今日のところは一度戻り日を改めて来ようかなと考えていたら、俺の姿を見かけたからと、タカコちゃんたちが来てくれて、それからは子どもたちが遊んでいた部屋に移動して、少し遊んでから自宅に戻った。


 まさか、タカコちゃんがサーヤのリングを持っているとは思わなかったけど、宝物にしてますとまで言ってくれて嬉しかったので、今度武装女子のグッズ商品を幾つか送ってあげようと思っている。


————

——

 

「タケトくん今朝からすごくうれしそうだけど、何かいい事でもあった?」


 子どもの画像を表示してすぐにクラスメイトが集まってきた。


「うん? ああ、実はね……」


 隠す事でもないので、みんなに子どもが生まれた事を話すとここでも驚かれてしまった。


「ええ!」


 その中には当然さおりたちも……悲しいけど、これが普通の反応なんだね。普通の男性は子どもに興味がないらしいから。すでに授業でも習っているのかな……


「た、タケトくんの子ども……」

「見てみたいな……」

「見たい」


 ただ、ウチのクラスメイトは順応するのも早いようで、驚いていたのは一瞬の事で、すでに俺のスマホの画面を覗き込んでいる。


「いいよ……って近っ。みんな近いから……」


 誰も聞いていない。よほど俺の子どもが見たいらしくみんな距離感お構いなしに覗き込んでくる。


「きゃー」

「きゃー」

「わー」

「可愛い〜」

「私も子どもほしい」

「すごくかわいい」


 でもまあ、普通に可愛いと言ってくれるのは嬉しい。


「だよね、かわいいよね。俺、親バカになるかも……なんてね」


「うそ」

「そうなの」

「そっか……タケトくんだもんね」

「だね。そっか……」


 俺が子どもの事で何が言う度にみんながきゃーきゃー、わーわー、と反応してちょっと楽しい。

 

 ——「私も子どもは好きだよ」


 ——? おっ、ななこ……


 みんなが騒いでいると、さりげなく思考を飛ばしてくるななこ。


 ななこがこくっと頷き親指をピシッと立てていたので、俺も同じように親指を立ててから頷くと、とても満足そうな顔をしていた。


 ——ふふ。


 こんなやり取りもミルさんを除くとななこくらいなものなので結構楽しいんだよね。


 ——そろそろかな……


 嬉しくて、子ども画像をみんなにも見せているけど、ここにサンちゃんが登校してなくてよかったとも思っていた。


 今の時間、タケヒトくんとサンちゃんが登校していない事がたまにあるけど、なぜそう思ったかというと、サンちゃんの家庭環境がかなりよろしくなかったからだ。いや、家庭環境というより母親だね。


 サンちゃんの体格がいいのも、母親から身を守ろうと必死に鍛えた結果だったようだし、それでも念体レベルの高い女性には意味がなくて……


 学校に登校するようにしたのも、先生から他にも男子が登校していると聞き、母親から少しの時間でも離れられると思ったからだそうだ。


 ただそれで他の女性に言い寄られては困ると考えた結果が女装(外出時のみ)だったらしい。


 俺が、男女で参加するサイコロ競技を考えては何度も打診していたから、断ってばかりいるサンちゃんが申し訳ないと理由を教えてくれたんだ。

 

 校長先生には悪いけど、結局、以前俺が考えたサイコロ競技ではなく、男子(サイコロ)VS女子(サイコロ)でのリレーバトルならば、男子全員が参加すると言ってくれたので、それを大会プログラムに入れてもらうことにした。


 レイカ(東條)さんがサイコロを学校に寄贈してくれると言ってくれたからできたことなんだけど、そうと決まった時の校長先生の顔ときたら真っ青で酷いものだった。


 さすがに申し訳ないので俺だけは去年と同じように等賞旗係を引き受け、フォークダンスにも参加する事に。

 

 そうしたら校長先生が二曲だったフォークダンスを三曲にするとか言い出して……すぐに可決されていたよ。




 ※更新が遅れてすみませんm(__)m

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