神社

勝利だギューちゃん

第1話

神社に来ている。

大袈裟な神社ではない。


近所のさびれた神社。

でも、こうしたさびれた神社の方が、意外とご利益あるのかもしれない。


神頼み。


お賽銭箱がある。

10円入れる。


「ケチ」

声がする。

だれだ?


「私」

どこからか巫女さんが来た。

「10円なんて、ケチ」

「君はこの神社の巫女さん?」

声をかけてみる。


「巫女じゃないわ。神よ」

「嘘」

「本当。大きい神社は立派な神様が行くんだけど、こんな小さい神社は、私クラスで充分なの」


手抜きね。


「でも、実績詰めば、出世できるから」

「どのくらい?」

「早くて、100年かな」


おばさんなん・・・


「そこから先言ったら、ただじゃおかないわよ」

「そりゃ、有料ですよね」

「そういう意味のただじゃない」

「じゃあ、どういう意味ですか?」

「うーんとね」


考えるな。


「とにかく硬貨は効果ないから、高価な紙幣にして」

「なぜ」

「お願い。何でもするから。でないと、この神社やっていけないの」

「どうして?便利なのに」

「大神様にリストラされる」


壊されるのか?

まあいいや。


どうせ他に使い道ないし


「じゃあ、一葉さんでいい?」

「諭吉さんは>」

「ダメ」

「一葉さんで、いいわ」


お賽銭箱に入れる。

たしか、二礼二拍手一礼だったな。


「心願成就と」

これひとつで、全て賄える。


「横着だね」

「ほっとけ」

「欲張りだね」

「黙れ」


しかし・・・


「誰もいないな」

「このご時世だからね」

「そのせいだけかな」


せっかくだから、おみくじ買っていくか。


「はい、おみくじ代100円ね」

「はい。100円」

「はい引いて」

「準備がいいな」


ガラガラ


「24番です」

「24番ね・・・はい」


渡される。

どこに持っていたのかは気にしない。


紙にはこう書いてあった。


『微吉』

こんなのあるんだ。


「ここのオリジナル」

そうなのか・・・


こう書かれていた。


【待ち人は、すぐ隣】

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神社 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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