第一回カクヨム短歌俳句コンテスト 短歌連作 とある中学生の一日

ゆっくんがあらわれた

とある中学生の一日

五教科の合計400点超えて喜んだ夢見て目が覚めた


かにぱんの足を一本ずつ取って食べてるパジャマ姿の弟


制服に着替え教科書チェックした給食シチューいってきまーす


十字路の飛び出し坊や足元に頭が落ちたまんま立ってる


朝読でミヒャエル・エンデ読んでたら少し賢く見られるのかな


授業中フリーズをしたタブレット再起動して少し慌てる


先生がここはテストに出るからと赤線を引く二酸化マンガン


画用紙にポスターカラーの青色で塗る空の色白い飛行機


四時間目大きな音でおなか鳴り他人のふりでキョロキョロしてる


昼休み廊下の隅で深呼吸あの子の笑顔なんか気になる


どうやってあの子がこっち振り向くか悩む思春期恋も勉強


窓の外白い月見てかぐや姫少し眠いな国語の時間


掃除中あの子の机運ぶためだけにしれっと窓側をする


放課後にエロい話をしてる友ぼくはちょっぴり離れて聴いた


ぶち込んだジャージのズボン泥だらけ部活のあとの通学カバン


夕食はピーマンたっぷりナポリタン塾行く服にケチャップこぼす


塾帰り自転車で行く夜の道ライトが光る山のてっぺん


シャンプーを男性用に変えてみただけど頭がスースーするの


寝る前にする歯みがきで一日が終わり明日がぐっと近づく


完璧に朝のつもりで目が覚めた夜中3時は恐怖しかない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

第一回カクヨム短歌俳句コンテスト 短歌連作 とある中学生の一日 ゆっくんがあらわれた @Yukkunga

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ