藤田一也選手

いつか書きたいと思っていた内容です。

まさか、先に引退が発表されるとは。


9月21日、藤田一也選手の2023シーズン限りでの引退が発表されました。近畿大学からドラフト4位で横浜ベイスターズに入団し、現役生活19年。球界トップクラスの守備力を武器に一軍に定着。2012シーズン途中に移籍した東北楽天ゴールデンイーグルスではセカンドのレギュラーを奪取し、日本一の立役者となりました。ゴールデングラブ賞3回、ベストナイン2回。間違いなく一時代を築いた、名手でした。楽天を退団後は横浜DeNAベイスターズに復帰し、代打の切り札として出場。今季は十数試合の出場でしたが、3割を超える成績を残しました。


私が一番好きな野球選手は、藤田一也選手です。

人生で初めて握手して貰った野球選手が、当時ルーキーだった藤田選手でした。当時幼稚園児だった私にとって、とても格好良くてヒーローのように感じたものです。そして、毎年のキャンプではサインを貰い、写真を撮って貰っていました。あの時の色紙やサインボールは、今でも大事に保管してあります。

藤田選手は、決して最初からスターという立場の選手ではありませんでした。一軍に定着してからも、バックアップ要員としてプレーする時期が長く、ベイスターズ時代には一度も規定打席に到達したことはありませんでした。そんな中、2012年のシーズン途中に東北楽天ゴールデンイーグルスに移籍すると、当時の星野仙一監督に守備力を高く評価されて徐々に出場機会を増やし、シーズン終盤にはセカンドのレギュラーに定着。2013シーズンは開幕直後から2番・セカンドとして起用されると、高い守備力を武器にレギュラーに定着。チーム初の優勝・日本一に貢献し、藤田選手自身もゴールデングラブとベストナインを受賞。飛躍のシーズンとなりました。2014シーズンは全試合に出場し、2年連続でゴールデングラブ賞とベストナインを受賞。2015シーズンは怪我の影響もあり出場機会を減らしたものの、2016シーズンは再びゴールデングラブを受賞。藤田選手がレギュラーに定着したのは29歳になる年で、遅咲きの選手でした。


そんな藤田選手ですが、とにかく努力と準備を怠らない選手でした。横浜ベイスターズ時代、春季キャンプでは居残りで守備練習を受ける藤田選手の姿が必ずありました。他の選手と一緒の時もあれば、1人でノックを受けていることもありましたが、藤田選手の姿が無い日はありませんでした。守備の名手として知られた藤田選手でしたが、あれだけ練習している選手を見たことが無いというくらい、練習熱心な選手でもありました。

そして、ファンにもチームメイトにも愛された選手だったと思います。キャンプ中、時にはボケをかましながらノックを受け、ファンを楽しませてくれていた藤田選手。居残りで泥だらけになるまで練習した後でも、笑顔でサインや写真撮影に応じてくれた藤田選手。ファンを大事にしてくれていたことは、間違いなく伝わっていました。2022年に横浜に復帰して以降、藤田の名前がコールされた時には、必ず球場が沸き立っていたことが、その何よりの証拠でしょう。もちろん仙台のファンにも藤田選手は大人気で、今でも藤田選手のグッズを身に着けたファンを見かけることがあるほどです。

チームメートやスタッフさんたちにも、藤田選手は愛されていました。横浜に復帰する際には、三原代表に「ウチには彼の人柄を含めて藤田一也ファンがたくさんいる。」とまで言わせたほどで、自主トレでは楽天や横浜の選手たちが次々と弟子入りしていました。今年はバウアー投手がバントを教わった、なんてエピソードもありましたね。


パワーヒッターでもなければ、プロの中ではずば抜けて身体能力が高い選手でもなかった藤田選手。それでも、19年もプロの世界で戦い続けてくることができたのは、彼の努力と人望があったからこそだったのでしょう。


私にとって、常にヒーローで居続けてくれた藤田選手。なかなか横浜でレギュラーを獲れなくても、ひたむきに努力し続ける姿は格好良く見えていました。楽天で不動のレギュラーになって、そしてタイトルまで獲って、出場機会が減ってきてもチームのためにできることを精一杯こなす姿は、これ以上無い「お手本」のような生き様でした。


たくさんの夢と感動をありがとう。初めて好きになった選手が藤田一也選手で本当に良かったです。

これからの活躍も応援しますが、でもまだお疲れ様とは言いません。まだ、横浜には日本一の可能性が残っています。そして、まだまだ藤田選手の力が必要です。藤田「選手」の最終章に、三浦監督の胴上げという最高のエピソードを刻みましょう!


Let's GO! 藤田一也 勝利を目指して 進め 行けよ迷わず ハマの牛若丸

勝利を信じて ひたむきに進め 終わりなき道を今 駆け抜けろ藤田

待ち望んでいた 君の勇姿を 勝利へ Restart ハマの牛若丸

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