言葉は刃物

 正直なところ、今はファン(と言いたくないけれど)からの罵詈雑言が選手たちのメンタルを削ってしまっているのではないかと思う。罵声を浴びせるような人が多数派とは思わないけれど、人間悪い所に目が行く生き物だし、どんな励ましよりも向けられた棘のある言葉の方が選手の目にも留まりやすいと思う。


 ただ、前にも書いたことがある内容だけれど、批判や非難を、わざわざ「選手やチームスタッフが直に目にすることのできる場所で」発信する必要がどこにあるのか、私には分からない。「あえてチームのために厳しいことを言う」的な発言も目にすることがあるけれど、本当に必要な振り返りならチーム内でやっているはず。所詮は部外者でしかないファンが、外からグチグチ言うことはないと思う。まあ、私が今書いていることも愚痴の一種だから、人のことは言えないかもしれないけれど。


 ただし、はっきりと言っておきたいことは、「ファンが選手やチームの重荷になるなんてことがないようにしようぜ」ということ。応援しているチームが勝てない、ミスが出るという状況はファンにとってもストレスが溜まる苦しいことだと思う。それは私自身もいちファンとして感じることだし、ある意味ファンとしては自然なことだろう。好きなチームが上手くいっていないことが面白いと感じるファンはいないはずだから。

 だけど、そのストレスを選手やチームにぶつけたってしょうがないでしょう。言ってる側はそれで発散できるかもしれないけれど、言われた側はストレスをより一層溜めることになる。人間はメンタルでパフォーマンスが左右される生き物なのだから、選手やチームがストレスを溜め込んだら、今よりもさらに上手くいかなくなることは想像出来る。本当に応援したいのならば、選手やスタッフさんたちがより良いメンタル状態で試合に臨めるようにしようよ。


 そして最後に言っておきたいのが、発信するときには「言葉は刃物である」ということを意識してくれ、ということ。言葉はコミュニケーションツールとしてもの凄く便利な物だけれど、悪意を持って扱えば人を殺すことだってできる危険なものだということを意識して欲しい。言葉は一生背負い続ける心の傷を残すことだってできるし、その瞬間傷つけることなんてたやすくできてしまうほど鋭い刃物。その刃先を、簡単に人に向けていませんか? 中には「プロなんだから批判されて当然」なんてことを仰る方も居るでしょうが、どうしてプロなら第三者に批判されて当然だと言えるのでしょうか? 結局のところ、自分のイライラをぶつけるための行為をそれらしい言葉で正当化しているようにしか思えません。


 ごめんなさい、私も愚痴を続けるような内容をただひたすらに綴ってしまいました。ただ、最近はあまりにも酷い内容の言葉で溢れていると思ったもので、書かずにはいられませんでした。私がこれを書いたところでどれだけの人に届くかは分かりません。ただの「自己満足」にすぎないものだという自覚はあります。それでも、これが誰かの行動を変えるきっかけ、行動を考えるきっかけになれば嬉しいなと思います。


取り返しのつかないことになる前に、何とかしようよ。ベイスターズの優勝、日本一が見たいなら、まずは俺たちが日本一のファンになろうよ。

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