最初の投稿なのにいきなり今はベイスターズに居ない選手の話かよ、と思われるかもしれませんが、タイムリーな話題だと思いましたので。

細川選手といえば、史上初の現役ドラフトで横浜DeNAベイスターズから中日ドラゴンズへ移籍し、一気に開花した外野手です。移籍初年度からいきなりレギュラーに定着、何と5月には月間MVPを受賞する活躍を見せてくれています。

ベイスターズ時代から、ロマン砲として期待されていた選手です。プロ初出場の試合でいきなりハマスタのバックスクリーン右に叩き込み、翌日にも第2号をスタンドまで運ぶという鮮烈なデビューを覚えているベイスターズファンも多いことでしょう。大砲候補ながら守備や走塁も決して悪い選手ではなく、代走で出場することもあったくらいです。二軍では文句なしの活躍を見せ続けており、4年目には二軍で三冠王も獲得。後はもう一軍で結果を残すだけ、という選手でした。

しかし、なかなか一軍では打てず、一軍と二軍を行き来するシーズンが続きました。軽く、細川選手の成績を載せてみます。

2017：2試合、打率.400、2HR、4打点、0盗塁、OPS2.100

2018：11試合、打率.222、1HR、2打点、0盗塁、OPS.808

2019：36試合、打率.222、1HR、10打点、0盗塁、OPS.605

2020：19試合、打率.235、1HR、1打点、1盗塁、OPS.611

2021：37試合、打率.154、0HR、1打点、0盗塁、OPS.429

2022：18試合、打率.053、1HR、1打点、0盗塁、OPS.311

毎年、出場機会はありましたが、なかなか継続して結果を残せなかったのが見て取れます。この間、オースティン選手と共に自主トレを行ったり、打撃フォームを改造したりと試行錯誤しているのが素人目にも分かりました。春季キャンプでもよく最後まで居残りでバッティング練習をしている選手で、個人的には何とか花開いて欲しいと思う選手の1人でした。いや、頑張っているのを感じ、応援していたファンは私以外にも多く居たでしょう、キャンプでは毎年のように細川選手のグッズを身に着けたファンを見かけていましたから。

しかし、ベイスターズでの最後の2年間はなかなか厳しい成績で、同じ右打者の牧選手が4番に定着、外野も佐野選手、桑原選手、オースティン選手、楠本選手がバッティングで結果を残しており、バックアップにも大田選手、神里選手、関根選手が控えていたことから、なかなか優先的に起用することは難しくなっていったように思います。また、同じ右打者でタイプも似た蝦名選手が結果を出し始めたことで、厳しい立場になってしまいました。とはいえ、細川選手は二軍では圧倒的な数字を出した選手でしたし、あれだけパワーがある選手なんてそうそう居るものではありません。間違いなく、ベイスターズのトッププロスペクトの1人でした。

そんな中で、現役ドラフトでベイスターズからドラゴンズへ移籍することになりました。あれだけ頑張っていた選手ですから、当然寂しさはありました。が、外野陣が飽和状態になっている横浜で燻るよりも、中日の方がチャンスがあるだろうとも思いました。

そして、その結果は言わずもがな。クリーンアップを任され、これを書いている2023年6月までに、横浜時代の出場試合数、安打数、本塁打数をあっさりと上回りました。それどころか、ここまではタイトル争いに絡めるほどの成績を残し、もはや中日ドラゴンズの主軸としての地位を築きつつあります。

個人的な思いとしては、細川選手の活躍を見るのが嬉しくて堪らない、というのが正直なところです。何で出したんだ、とは思いません。むしろ、移籍したから今の細川選手があるのでしょう。和田コーチとの出会いが大きかったといいますし、中日の外野陣（とファースト）は横浜ほど層が厚い訳ではなかったことから、優先して起用できる環境だったことも大きいと思います。そして、もし細川選手が今もベイスターズに居て、今と同じくらい打てていたとしても、やはり今のベイスターズでは中日よりも多く出場機会があったとは思えません。細川選手はきっと最高のタイミングで移籍し、貰えたチャンスをちゃんと掴んだのだと思うのです。

移籍してすぐに活躍できたというのは、しっかり横浜時代に土台ができていたということだと思いますし、移籍は開花のきっかけだったのだと思います。だからベイスターズが育成に失敗したとは思いませんし、かといって中日移籍に移籍していなくともこれほどの数字を残せたとも思いません。繰り返しになりますが、横浜時代の下地、そして現役ドラフトという良いキッカケがあったからこそ、開花したのだと思います。

頑張っている姿を知っているからこそ、今の細川選手の活躍はとてつもなく嬉しい。いつか、侍JAPANで細川、牧の3・4番コンビなんてものが見られれば最高ですね。でもまずは、レギュラーの座を1年間守り抜いて欲しいです。

細川選手、これからも打ちまくれ～！