第16話 夏休み六日目花火大会2

 夕空が暗くなりかける。花火がいつ打ち上がるかとワクワクするあたしとシイちゃん。周りの人たちも夕空を見上げている。


 はぐれないようにピッタリくっついているあたしとシイちゃん。浴衣姿のシイちゃんの横顔がかわいくて。あたしはシイちゃんのほっぺたにチュッとしてみる。


 シイちゃんは顔を真っ赤にして、あたしの顔を見つめてくる。あたしはニコニコ笑顔。すると。


 ルノちゃんなんか知らない!


 シイちゃんは怒った様子であたしにそう言った。あたし、さすがに嫌われた、かな? そう考えると、ちょっと泣きそうになるあたし。


 少しの時間が空いてから。


 ルノちゃん? 泣いてるの? ウソだよ。


 そうシイちゃんは笑顔であたしに言った。


 あたしは涙を拭いて、笑顔に戻る。あたしとシイちゃんは笑顔になる。


 ヒューッ、ドンドン!


 打ち上げ花火が始まる。あたしとシイちゃんは、おおー、と夜空に浮かぶ打ち上げ花火を観る。


 来て良かった。あたしは夜空の花火を見つめながら心からそう思った。

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