生きることは多面鏡

蒼キるり

生きることは多面鏡

気づかないまま青くなった肌透かすもっと敏感に生きろよと


知らないまま死にたかった他人の温もりとぞっとする冷たさよ


俯いたペッパーくんの横顔を幼子撫でるような気で見つめ


手でひとつひとつ積んだと錯覚してしまうビル愛しさのあまり


ボタンひとつでなんでもできますと歌う機械を磨き上げる日


夜は灯火切れることありませんいいか悪いか希望ではある


黒と白はっきりと二分できるものなどこの世には滅多にないさ


好きな色選べとニコニコ言うけど透明はダメ?色のない私


情熱の赤だなんて誰が決めた不変の寂しさ人を巡る


空がこんなにも淡くなかったならきっと我らは強く有れたね


混ぜ時は見極める全て混ぜれば夜になるだけ星もない夜


水滴を拭わなければ息もできないそんな怒り知ってますか


怒りも悲しみもいつか区別できなくなりますね誰がそうした


揺り籠に揺られていたいそこを飛び出したら誰も助けはしない


積んでゆく不満と不安 月にまで届けば気づいてもらえますか


子どものように生きてますそれを馬鹿にするなら大人けんをください


もしかしてわたし怒ってもよかった?心の傷も傷とカウント


己の身でアピール傷なんかつけて誰も振り返らないのに


文字にするそれだけで私は私でなくなる鏡写しのよう


どれひとつ取っても私でなく でもどれもが私多面に生きろ

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生きることは多面鏡 蒼キるり @ruri-aoki

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