イベントが一切成立しない⁉︎ 40代おじさんの女子高生転生物語

Rui ji 6

第1話 国民的女子高生アイドルに転生した!?



(…………あれっ?おれはどうなったんだ?)



俺はたしか、線路に落ちそうになっていた女子高生を助けようとしてその後............


ああぁ、思い出せない。


俺は意識が混沌としながらも目を開けた。


「ええぇ!?」


目の前にはイケメン男子高校生の唇のドアップが!


いま、まさに俺にキスをしようとしている!!


「ちょっとまて!何してんだお前」


「えっ!?どうしたの?まりちゃん.......」


(まりちゃん?なにいってんだ、こいつ。

俺は引きこもりニートの一朗だ!)


「いやいや、おまえこそ俺に何してんだよ」


「まりちゃん、急にどうしたの?

話し方がおっさんだよ?」


「いや、おっさんだろ、俺は」


「いやいやまりちゃんは女子高生じゃん、

 トップアイドルじゃん」


(女子高生?トップアイドル?

 ん?たしかにいつもより目線が低い気がする......)


俺は自分の身体を見回した。


(マジか!なんで俺がスカート履いてんだ?

 それも憧れのセーラー服を俺が着てる!?)


「えーっと、私って誰、かな??」

急な出来事になぜか女言葉になってぶりっこで話してしまう。


「ん?だれって星野まりに決まってんじゃん」


「えっと、それってあの有名なトップアイドルの?ほら、あのCM女王の?」


「何言ってるの?そうに決まってんじゃん。

ミルフィーユの星野まりじゃん」


「ええ!? それじゃあ、

 これは撮影かなにかかな?」


「ちょっとまりちゃん、ようやく俺とデートしてくれたのに、もしかしてこれってドッキリなの?」


男子高校生が辺りをキョロキョロし始めた。


「うーんと.......君は誰?」


「はぁ?いまさら何言ってるの?

 Sixmenの翔(かける)だよ?」


「えっ?Sixmenてあの国民的人気アイドルの?」


「なんなのまりちゃん?俺のこときらいになったの?

さっきキスしていいよって言ったばっかだよね!」


(まさかこれは助けた女子高生に入れ替わるというアニメや漫画、小説界隈では有名なあのパターンか?

俺はいま、もしかして大好きな女子高生に替わっているのか?


そうか、そうに違いない!


苦節40年、彼女いない歴=年齢の俺に神様がついにご褒美を。これは人生最大のチャンス到来か!ありがとう、神様)


「ちょっと?まりちゃん、今度は急に考え込んでなんなの?」


(そうか。いまは国民的男性アイドルと国民的女性アイドルの密会現場か。ようやく理解でき始めたぞ)


「あっ、ごめんね。翔くん。てへっ」

アイドルらしいかわいい声でかわいい仕草をトライしてみた。


「か、かわいい... やっぱまりちゃんは世界で一番かわいいよ」

翔は完全に目がハートだ。


「まりちゃん、やっぱおれ我慢できない。キスしていい?」


(ちょっとまて、俺は男だ......、いや、待てよ。

おれが女だったとするとSixmenの翔とキスできるなんてそれこそ夢のまた夢。これはキスしておいた方がいいのではないか?)


「まりちゃん、またぼーっとしてるよ」


「ごめんね、私も初めてのキスだから緊張しちゃって......」

ここで恥じらいの表情を見せる。


「かわいすぎる...... はじめてなんだ...キス、 いくよ......」


「うん.......」


(ついにきた~!おれのファーストキス!

 その相手があのSixmenの翔だ!)

翔の手が俺の肩を握りしめる。

翔の顔がだんだん俺の顔に近づいてくる。


切れ長な目、

さらさらな髪の毛、

女の子に負けないくらいの長いまつげ

俺と違ってひげもない。


男の俺でも勘違いを起こしそうなかっこよさだ。


いや、実際、いま目の前で勘違いを起こしそうになっている。


(ああぁ~、翔の唇がもうすぐ触れる)


バンッ!!!


翔が後方に吹っ飛ぶ。


「やっぱむりだぁ!野郎とはキスできない!

 ファーストキスはやっぱ女の子がいい!」


俺は翔を突き飛ばしてしまった。


「ちょっとまりちゃん!急になに?

 嫌なの?嫌ならそう言ってよ」


「あっ、ごめん。ごめんねぇ。おほほほほ」


取り乱した俺はその場から猛ダッシュで離れ去った。


「ま、まりちゃ~~~ん」


俺は後ろを振り返ることはなかった。


………………………………………


「はぁはぁはぁ、ここまでくればもう大丈夫だろう」


おれは突然の猛ダッシュに両膝に手をついて肩で息をしている。


(あやうく俺のファーストキスが野郎に奪われるところだった。

 たしかに翔としてみたい気もあったがまさか身体が勝手に拒否をするとは。さすがに引きこもりニート生活でも俺の脳はボーイズラブを否定してくれたようだ)


「あっ!星野まりだ」

「本当だ!星野まりだ」

「やばい!本物だ。めっちゃかわいい」


えっ!辺りを見回すと若い男女が俺の方を見つめている。

それもみんなが一斉に俺に近寄り始めてきた。


(やばい!俺に近づくな!おれは人と絡まない引きこもりのニートだ)


もう一度猛ダッシュを繰り出す。


はぁはぁ


はぁはぁ


(どこに逃げれば良いんだ)


はぁはぁ


(もう体力の限界だ......あった!デパートだ。

 トイレだ。まずはトイレの個室に隠れよう)


「うわ!」

「ちょっと!」

「なんで?」


トイレに入った途端にみんなの視線が俺に釘付けだ。


「あっ!!」


今は女子高生だ。これでは女子高生じゃなくて痴女だ!

慌てて男子トイレの外に出る。


ごくりっ


(女子トイレに入っていいのか......)

俺の良識がそれを止めようとする。

でも入りたい。男の憧れるシークレットルーム。

それは女子トイレと女風呂、そして女性更衣室だ。


「さっき男子トイレ入ってきたのアイドルの星野まりじゃねえ?」

男子トイレの入り口から男の声が聞こえてくる。


(やばい!ばれる)

おれは女子トイレに一目散に駆け込んだ。


ガチャッ


一番奥の個室に入る。


「ふぅ~~、ようやくおちついた」


(一旦冷静になろう......

 俺は今、女子高生。さらにそれが

 あのアイドル星野まり。

 ヌフフフ、笑いが止まらない。

 彼女いない歴=年齢の俺が大好きだった

 女子高生になったのだ。

 それもおれが大好きだったあの星野まり。

 これは神様がくれたご褒美だ。

 むしろ俺にしかこのご褒美を扱いきれない

 自信がある。

 なぜなら女子高生が大好きすぎて

 アニメ、アイドル、えっちなサイトと

 くまなく勉強してよく知っているだからだ)


「そうだ!このビックチャンスを活かさねば」

あまりにもうれしい展開に声が出てしまった。


ごくりっ


ここはトイレ。さらに個室。

身体は女子高生。さらに星野まり。


これはいきなり最高のシチュエーションではないか。

最初っからハードモードの激アツ展開。


下着も見れる。

なんならおっぱいも見れる。

いやいやおしっこのシーンも見れる。

今まで見たことのない生身の女体を

見ることも触ることもできる。


(よしっ...... ここはトイレだ。

 普通にトイレをするだけだ。

 これは生理現象だ。

 仕方ないんだ。

 だってトイレがしたくなったんだもん。

 まずはトイレを見よう......いやちがった。

 トイレをしよう)



俺はスカートの中に手を入れて

パンティに指をかけた............




……………………………………

あとがき


新作です。一話目の印象はいかがでしたか?

いつも1話目が苦手で数話投稿してから

読まれ始めてしまいます。


一話目がそんなに悪くないと思っていただけたら

☆レビューか♡応援いただけるとうれしいです。


これからもよろしくお願いします。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る