第6話 初任務は成功したい

鳥のさえずりが聞こえた。外が明るい。『今何時だ?』と思って時計を見た。『セーフ。初任務は遅刻しなくて済む。』


俺は朝食を食べ、インモルターリス基地本部に向かった。


「おはよう」と廊下を歩いていたドレイクにあいさつした。


ドレイク・ノーチラス。いくつもの地上奪還作戦に参加し、生き残ってきた強者で次期四天王候補と言われている。


「おぉ、遅刻しなかったな!早く準備するぞ。」


「OK!」


俺たちは、更衣室に行き戦闘服に着替えたあとマークに呼ばれたのでついてった。そこにはみんながいた。


「ルシファー、ここは武器庫で、俺たちのロッカーもある。ルシファーのロッカーに基本的なセットが入ってるから持ってげ。あと、ここにある武器なら何でも使って良いぞ。」とマークが言った。


『スゲ〜、武器とかほとんどそろってるじゃん!』と思いながら武器を選んだ。


「みんな揃ったね。危険な任務になるからみんな気をつけて。みんな行くよ。」とカミエル様がが言うと「おおー!」と声があがり、それぞれの持ち場についた。


_ _ _ _ _ _ _ _ _ _


【偵察部隊救出作戦】


俺、ドレイク、ヘクター、ルナ、カミエル様の地上チームはバスに乗り込んだ。そして、マーク、ジェイク、ナタ、ラムダ、ヴェスタル、ミールの空チームはT10に乗り込んだ。


バスは格納庫から出て車庫みたいなところにきた。ヘクターが「…こちらウィクトル地上チーム…」というと地上に出る準備が始まった。


「ウィクトルってなんですか?」


カミエル様

「ルシファー君には言ってなかったね。ウィクトルは私たちの部隊の名前。」


バスが3番射出口に入ると上に上がっていった。


ヘクター

「…ウィクトル地上チーム作戦開始…」


そういうとバスが発進し、地上に出た。目的地まで爆速で向かっていった。


数十分で目的地についたがそこに偵察部隊の姿はなかった。俺たちはどこかに身を潜めていると考え、空チームと合流し辺りを散策した。


しばらく散策すると、洞窟を見つけた。入口には血痕があり、洞窟をのぞくと奥の方に灯りが見えた。


マーク

「ドレイクとヘクターで入口の見張りを頼む」


マークがそういうと俺たちは灯りの方へ向かっていった。洞窟の中は奥に行くにつれて鉄の匂いが強くなってきた。灯りの近くにつくと動く人影が見えた。すると人影がこちらに向かってきた。姿を現したのはクローン人間。その瞬間、みんなクローン人間に向かって動かなくなるまで撃った。そして灯りの場所に行くと、偵察部隊の死体が転がっていた。地面は血だらけで、池が出来そうなほどだった。俺は初めて見た景色に吐き気がした。


戦場は俺を休ませてはくれない。


ドーンという爆発音が聞こえた。外に出ると煙があがっていた。乗り物が破壊されたのだ。


辺りを見渡すと敵の戦車やたくさんのクローン人間が洞窟に向かって攻撃してきた。


ミール

「ワナだ」


俺たちも攻撃を始めた。戦車の砲撃に当たらないよう移動しながらクローン人間を少しずつ片づけていった。


マーク

「きりがないな」


ミール

「しょうがない、クリスタル使うしかないか… WMM324クリスタル発動!」


そう言うと、ミールの右目の色が黄から光輝く青に変わった。そして、ミールが指をパチンと鳴らすと水龍が現れ、敵を次々となぎ倒し消えていった。


クリスタル…。発動すると体力増幅、特殊能力が一次的に使えるようになる。クローン技術開発時にできた、生体認証DNAとスィンヴァンDNA、そして自分のDNAをクリスタルに保存し片目に埋め込み神経と接続する。そしてパスワードを言うと生体認証DNAが反応し、発動するというものである。訓練兵の時にみんな埋め込められる。クリスタルは量産できるため、自分専用の武器に自分のクリスタルをセットすれば、武器と特殊能力を混同させて使うことができる。また、クリスタルは色によって使える特殊能力の系統が違い、自分に合う色に変わる。色は銀・青・赤・黄・緑・紫・黒がある。銀は重力、青は水・氷、赤は炎、黄は雷、緑は密、紫は呪術、黒は創造である。普通は1人1つの系統しか持てないが、極稀に2つの系統を持つものがいる。ちなみに俺の色は、銀。重力操作で敵をつぶしたりする。


俺もクリスタルを発動し戦うことにした。


俺は敵に向って銃弾を打ち込む。すると、敵に当たった銃弾にものすごい重力が発生し敵がつぶれていく。そして次々と血しぶきが発生する。


無心になりながら戦っていると、後ろに気配を感じた。振り向くと、クローン人間とは違うやつが俺に剣を振り下ろそうとしていた。『あぁ、ここで死ぬんだ』と思いながら目をつぶった。「セーフ」と聞こえ目を開けると、ドレイクが剣を止めていた。


ドレイク

「誰1人死なせない ルシファーあきらめるのが早いぞ」


ドレイクは俺から敵を離し、戦闘が始めた。敵はクローン人間よりはるかに強そうだった。俺は応戦しようとしたが、どちらも隙がなく、目で追うのもやっとぐらいの速さで戦っていて無理だった。だんだん戦闘が激しくなっていった。クローン人間は、ほとんど片づけ終わった。


俺が瞬きをした瞬間ピタッと戦闘が止まった。よく見ると、剣が体を貫通していた。貫通していたのはドレイクの方だった。ドレイクはその場に倒れ込んだ。みんな助けに行こうにも敵がいて行けなかった。すると、カミエル様の声が聞こえた。


カミエル様

「私が引きつける そのすきに助けろ」


そう言うとカミエル様は一瞬で敵に近づき敵の額に銃弾を打ち込むも避けられ外れてしまった。その隙を敵がカミエル様の心臓めがけて剣を降った。が、その剣はカミエル様には届かなかった。敵の腕と足は氷になっていた。さらにカミエル様が指を鳴らすと敵に雷が落ちた。


2つの特殊能力の系統を持つと目の色はどうなるのかと気になりカミエル様の目を見た。俺は驚いた。虹色に輝いていたのだ。


敵がまた動き出そうとした瞬間、姿が消えた。そして血しぶきが発生した。


その後、少し残っていたクローン人間を倒し基地に向って帰った。ドレイクはヴェスタルのクリスタル、密により傷口をふさぎ自分で歩けるまで回復した。


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こうして俺の初任務は無事終わった。


みんな部屋に戻ると、おつかれと言って寝てしまった。俺も疲れたので仮眠をとることにした。


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カミエル

「…ゼウス将軍、任務完了しました 今回最近出現し始めた上位個体がいました 敵の情報は何もつかめませんでした…」


ゼウス将軍

「…そうか ところで新人はどうだ…」


カミエル

「…ルシファー君ですか ルシファー君はケガも無く、たくさん敵を倒していて新人にしては上出来でした…」


ゼウス将軍

「…さすが、あのじいさんの孫だな…」


カミエル

「?」


そして通信が終了した。


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目が覚めて飲み物をとりにいくと、テーブルでカミエル様が寝ていた。カミエル様の寝顔を見れて最高!と思っているとナタがやってきた。


「おつかれ、ルシファー!」


「おつかれ!」


「カミエル姉の寝顔かわいいね!」


「そうだね」


「もしかしてだけど、カミエル姉のこと好き?」


「いきなりなんだよ~!」


「ごまかさないでね!」


こんな会話をしながら俺は、ナタに前聞けなかったこと聞いた。


「ねえナタ、昨日カミエル様が居場所をくれたって言ってたけど、どういうこと?」


「えっ…気になる?」


「うん。だけどナタが嫌だった全然話さなくてもいいから。」


「ルシファーは、いつも優しいね。」


「?」


「いいよ。ルシファーだけに教えてあげる。私の過去のこと。」


そう言うとナタは自分の過去について話始めた。

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