第6話 ファーストコンタクト(1)

主人公は鋼のメンタルを持っている。

主人公は強靭なステータスを持っている。

そして、それらの特徴を活かして、強大な敵に立ち向かう。

強大な敵に負けたとしても、立ち直って打ち倒す。

転んでも転んでもやり遂げる!そんな口癖を持つ

そんな設定の物語は多い思う。

ただ、私の物語では鋼のメンタルなど持ち合わせていなかったようだ。

スライム強大な敵に負け、空腹にも負け、職業ガチャにも負け。

まっすぐ自分の意志は曲げねえかっこいい言葉なんて口が避けても言えない。

だから、

私は、

「孤独なトッププレイヤー」という夢を諦めるのは早かった。

そっと私はVRヘッドセットを手に取り、リスタートする。

称号「」を所得しました。


(はい、傷口えぐる称号いただきました)


あれから私はすぐ、Natizenさんと接触を図った。


「どうしたんすか?結構早かったっすね」


「・・・。良い報告と悪い報告どっちが聞きたいですか?」


「え、いやじゃあ良い報告から」


という称号をもらいました。」


「それ、良い報告なんすか?じゃあ次、悪い報告は?」


「あの後、死亡しました。あと、孤独なトッププレイヤーを目指すのはやめます。」


「それは、、、大変良かったっす。で、今後はどうするつもりっすか?」


(え、そこ励ましてくれないんだろうか)

という言葉は口には出ない。

「今後、、、個人的には、いくつかこのゲームのシステムについて聞きたいのと、今後何をどうすれば良いのか聞きたいです。」


「全然大丈夫っすよ!そのつもりっすから」


「あーあなたがライフをくれる女神に見える」


「いや、棒読み。しかも俺男っすから」


「まぁ、そんな茶番は置いといて。死んだ後も、満腹値50でステータス減少したままなんですけど、どうしたらいいですか?」


「茶番って。いや、あんたが言い出したんだけど。なんか調子狂うわ」


「え」


「え?」


(今口調が変わった気がするんだが)


「それは、料理人から食事を購入して食べるか、冒険ギルドに行って食事するかっすね。冒険ギルドの場合は戦闘レベルが低レベル帯の時は無料で食べれますよ。後、AIキャラも冒険者ギルドの食事会場で仲良くなったりできるっすね」


「へーそうなんだ。でも、料理人は商売あがったりじゃない?」


「いや、料理人が作る食事はステータスにバフ能力強化がかかるのと、戦闘レベルが上がると割高になるんで、そこら辺は差別化されてるんすよ!まぁ言うなれば低レベルプレイヤーの救済措置って感じっすね」


「私、職人ギルドに所属してるんだけど出入り自由なのかな?」


「スキルとかライセンスを得る時にはそのギルドに所属しないといけないっすけど、どのギルドも出入りは自由っすよ!ギルド塔内にしか出てこないAIキャラとかもいるんで、定期的に行ってみるのもオススメっす。ちなみに冒険ギルドのAIキャラは仲良くなると、好きなキャラと一緒にモンスター狩りに行けたりもするっす」


「あーあと、を持っていないプレイヤーは、帰りに冒険ギルドに寄って、モンスターを解体&換金しないといけないっす。そのままだとになってしまうっす。解体スキルがある人と比べると損はしてしまうんすけど。ちなみに、解体スキルは狩人の固有スキルのことっすね」


「へー解体スキルなんてあるんだ。何がどう損するの?」


「低レベルのスライムの場合、解体スキル使うと、レア素材以外では、クリスタル(小)と、ぬるぬるボディーっていう素材が通常時、手に入るっす。その素材を売った場合、2素材合わせて20クーツ。だけど、ギルドでやると冒険者ギルド員以外なら合計で10クーツ手に入るっす。そして、冒険者ギルドでは、10クーツでクリスタル(小)が買えるっす。手数料が10クーツ出ていくって感じっすね。さらに、手数料は高レベルやレア度が高い素材ほど高くなるっす」


「なるほど、私が10クーツ3体に500クーツ取られたってことは分かりました。」


「それは、わかったんすか?」


「はい、わかりました。とりあえずこれから冒険ギルドにとりあえず行かないとですね」


「あーそれから忘れてたっすけど、に行って欲しいっす。」


「中央塔?なんでですか」


「中央塔の地下に図書館があって、さらに下の階に首都セントラルのマップをアップデートできる場所があるんすよ。そしてそのマップ、お店の情報とか全部記されてるんすよ」


「え、何その便利機能、急にゲームっぽい!行くっきゃないじゃないですか」


「そーなんす。だから最近の初心者は初めにみんなそこに行くんす」


「知らなかったー。チャットやってないとか、情報サイトで情報買わないとそんなところで情報格差ができてくるんですね」


「そーなんすよ。でどうします?フレンド登録と俺んとこのクラン入ります?」


「良いんですか?今の話を聞いていて、私はただのお荷物になりませんかね?」


「それは大丈夫っすよ。俺らんとこのクラン、1職業に1人ずつはいるんすけど魔法師だけいないんで。そもそも魔法師自体がレアなんで」


「なるほど、お荷物にならないのならよろしくお願いします」


「よし、じゃあフレ登録と、クラン登録して、、、。今日はとりあえずに食事を摂って、中央塔行って、今度クラン案内するっすね。フレンドメッセージにクランの場所と、クランメンバーにいつ顔見世するかの連絡送っとくんで!」


「ありがとうございます!何から何まで」


「いや全然っすよ。自分はこれから用事があるんで!また今度」


そう言ってNatizenさんと別れた後、冒険者ギルドで食事をし、その後中央塔に向かった。

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