第10話「ずっと仲良しこよし?」

 あの出来事があってから私はずっと翔人を避けている。たまに翔人を見かけるけど、なぜか毎回絢香と話してる。そして、そこに龍平さんもいる。でも、何を話してるのかは全く教えてくれない。


「ピロン」


携帯の通知が鳴った。


『今日の放課後、俺のクラスに来てほしい』

 

またこれか。正式に別れる話かな。とりあえず、行ってみないことにはなにもわからない。


『わかった。行くね』


そう送ると、私は携帯の電源を落とした。

 



〜放課後〜


「、、来たよ。」


翔人が窓の外を見ていた。


「翔人?」

「これ、受け取ってください!」


そう言われ、渡されたのは、


「クマのキーホルダー」


だった。


「え、なんで?」


翔人は、頭をポリポリ掻きながら、


「その、、、仲直りしたかったっていうか、、自分が情けなかったというか、、なんていうか、、」


と言った。私は心を許したのか、いつの間にか翔人に抱きついていた。


「絢香と龍平さんと話してたのって、これのことだったの?」


翔人はこくんとうなずいた。


「龍平が、仲直りしたいなら彼女が好きなものをあげなって言って、その好きなものを有城さんに聞いたらくまちゃんが好きだって、特にキーホルダーを推してるって言ってたから、ね。」


「でもいつ買ってきたの?校外の外出は禁止なはずでしょ?」


翔人は、ふふふと笑って、


「恋果に言ったら絶対怒られちゃうから内緒。」


と言った。


「なんなのよもう!笑」


このときはまだ知らなかった。











これから二人の間に悲劇が及ぶことを。

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