第2話「孤独」
「ただいまー・・・」
もちろん、私は一人暮らしなので家には誰もいない。
一人暮らしになったのは、両親が離婚して、どっちについていくかの話になり、私は母も父も好きではなく、お金の免除はしてくれるとのことだったので思い切って一人暮らしを決意した。
週に一回程度父か母どちらかに電話をするくらいで、普段は一人で楽しく一人の時間を満喫している。門限もないため、法に違反しない程度に遊びに行ったり、友だちを呼んだりしてる。
一人暮らしにおいてそんなに不便なことはないのだが、やはり生きていく上で不便なことは多々ある。
食事においては、母や祖母に散々料理をやらされていた(教わっていた)ので料理に関しては問題ないのだが料理をするときに食材がないと意味がない。
バイトで稼いだお金と元両親からの免除金で生活をしなくてはいけないので(電気代や水道代諸々は親と祖父母が払ってくれている)算数力が必要になる。
だから、自分の家ではあるけれど、お金関係は怖いので夜は21時〜22時に寝て朝は通勤ラッシュを少しでも逃れるために始発から3本目の電車に乗り朝食を軽くカフェで済ませてから学校に行っている。学校に行けば、友達にも会えるし、勉強もしなきゃだし、部活も楽しめるので本当はずっと学校にいたいがそれはできない。
だから仕方なく自宅に帰っている。結構孤独そうな日々を過ごしているがそこまで苦痛ではない。そこまでは。
「ん?なんの音?」
後ろを振り返ると、雨が降っていた。
「やっべ。洗濯物取り込まないと。」
前だったら母が洗濯物を取り込んで私が畳んで片付けるだけだったが今はそれらを一人でこなさないといけないので今となってはとても感謝している。
洗濯物を片付け終わって、食事も終え、入浴も終え、あとは床につくのみだ。
21時。
もうこんな時間か。目を瞑ればまた明日がやってくる。あたり前のことだが、今はそのあたり前のことが少し憂鬱だ。それでも、私は眠りについた。
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