第35話 永遠
最初からこうなることが決まっていたみたいに、その日以降彼女からのメールは一切来なくなった。
結婚式の案内もあれからずっと待ってみても、俺の元へ来ることはなかった。
俺自身、なんでそうなってしまったのか今でもわからない。
――いや、わかろうとしていないだけだった。
ずっと一緒にいたいと思っていた。
でも、一緒に居られないくらいどうしようもなく辛かったんだ。
だから、せめて証明してほしかったんだ。
彼女の一番を俺にも分けて欲しかったんだ。
でも、最初から分かってた。
そうしたら終わるってことを――
でも俺は、終わるってわかってたからそうしたんだ。
――結局、俺はまたそうやって逃げ出したんだ。
・・・。
彼女は今も元気にしているだろうか?
幸せに過ごしてくれているだろうか?
俺にはもう見えなくなってしまったけれど、今日もまた俺は彼女との思い出に触れ、彼女と生きている。
彼女を思い出すのと同時に、俺は彼女の全てを否定するのをけっして忘れない。
彼女が最後に放った言葉――
"そのくらい、私は今、彼のことが大好き"
"――だから、小林くんの気持ちにはこたえられないんだよ"
俺はその言葉を信じる。
彼女の許しがたい所業を信じ、俺は生涯呪い続ける。
――そうでもしていないと、俺はまた彼女を好きになってしまいそうなんだ。
――彼女から結局逃げ出した後悔で圧し潰されそうになってしまうんだ。
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