第18話 覚悟

帰り道。

先程とは打って変わって沈黙が二人の間に蔓延っていた。

多少は仕方ない――と思う。

だって、俺の気持ちを再びその子に思いっきり告げて、未だそれに対しての返事や感想をもらえていないのだ。

正直、気まずい空気なのかもしれない。

でも、それ以上に俺の意志の方が何百倍も強かった。


「ねえ、手、握ってもいい?」

俺はその子に訊ねる。


「えっ――」


「だめ?」


「嫌じゃない、けど――」


「けど?」


「彼氏、いるから・・・」


「そうだよね。ごめん、無理言って」


俺は、ある意味開き直ったかのようにその子に好意を伝え続けた。

もちろん、その子が嫌な素振りをするようなら絶対にやめた。

ただ、自分の想いを伝えることの大切さをこの時の俺はもう痛い程に知っていたので、全て正直に伝えたいと思っていた。

ずっと言えなかったことだから。

伝えなきゃ、それが叶わない事は知っているから。

未来の自分が絶対に後悔しないように、俺はその子に想いを伝えていきたいと思った。

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