~ゴッド・オブ・ブレイビア~ 姫騎士デュエル・アナリストの俺、男だからとランク2位のチームを追放され、訳あり美少女ばかりの新チームに拾われる。「開幕戦は3日後だ。よろしく頼むよ」「……OK」
第63話 開戦!『紅蓮の破壊神』vs『絶対要塞』
第63話 開戦!『紅蓮の破壊神』vs『絶対要塞』
◇
「リュカ、いつも通りにな」
セコンド・エリアで、俺は改めてリュカに最後の声掛けをする。
「はいっ!」
すると力強い返事が返ってきた。
「いい顔じゃないか。リュカはもうすっかり一人前の姫騎士だな。強敵相手でも安心して見ていられるよ」
「ヤマトさんの期待に応えられるように頑張ります。では行ってまいります!」
ここまで7戦全勝。
もはや押しも押されぬ大エースとなったリュカが、前半戦ラストとなるデュエルの舞台へと上がった。
『さて皆さん! ついにゴッド・オブ・ブレイビアも前半戦最後となるデュエルを迎えました! ともに全勝同士! まずは赤コーナー! バーニング・ライガーの誇るセカンドエース! 圧倒的な攻撃力は、立ちふさがる全てを粉砕する! 最強の
マイクパフォーマンスに応えるようにティファニアが右手を突き上げると、割れんばかりの歓声が上がる。
『対する青コーナー! こちらはライトニング・ブリッツが誇る最強の盾!
「
コールされたリュカが、8枚の羽根を備えたバックパックを装着すると、
「フェンリルキタ━(゚∀゚)━!」
「キタ━(゚∀゚)━!」
「キタ━(゚∀゚)━!」
観客からこれまた大きな歓声が上がる。
今やリュカもすっかり有名人だ。
あどけなさの残る可愛いらしい顔立ちと、包容力を感じずにはいられない体つきに加えて、一歩も動かずに圧倒するという誰も真似できない固有戦術。
さらには4部から大抜擢されて勝ちまくるというシンデレラストーリーが、リュカを一躍スターダムへと押し上げていた。
「
リュカの応援が一段落するのを待ってから、ティファニアが
その右手に、炎の刃を明々と燃やす威風堂々たる戦斧が現れた。
これまた大歓声が上がる。
『両者の
カーン!
ゴングが高々と鳴り響いたと同時に、ティファニアが進撃を開始した!
対してリュカは定位置である自陣の最後尾に陣取り、フェンリルを展開して魔力砲撃を行う。
しかしティファニアは遠距離戦にはまったく取り合わない。
低ランク魔法のフレイム・アローやファイア・ボールを弾幕としてばらまくことで、最低限の迎撃をしつつ、被弾しながらもじりじりとリュカとの距離を詰めていく。
そしてある程度まで距離を詰めると、その強大な力を一気に解放した。
「炎獅子咆哮! ライオネル・ストライク・フルチャージ!」
巨大な炎の獅子をまとったティファニアが、リュカに向かって猛烈な突進を開始した!
「ライオネル・ストライクの上位派生技ですね! 威力が高い代わりに、エイムが難しい高難度魔法です!」
マリーベルやアリッサ・カガヤ・ローゼンベルクも使う、炎属性のAランク魔法ライオネル・ストライク。
激しく燃え盛る巨大な炎の獅子をまとって突撃するという、破壊力満点の攻撃魔法だが、フルチャージはさらに攻撃力を限界まで高めた、威力に全振りした派生技だ。
魔法式が複雑でコントロールが難しいこともあって、この派生を使いこなせる姫騎士は多くはない。
が、バーニング・ライガーのセカンドエースのティファニア・グランデともなれば、高難度の派生魔法すら当然のように使いこなしてくる。
だが非常に攻撃力が高い代わりに、狙いを定めるのが難しく、使いどころが難しいという欠点も持っている魔法だ。
「たしかにこの魔法は狙いがぶれやすい。だがそっちが一歩も動かないなら、外れることはないだろうさ!」
「たしかにそうです。ですがそれはこちらも想定内です! 戻ってフェンリル! ガトリング・フルバースト!」
リュカは8枚全てのフェンリルを自身の正面に引き戻すと、リュカの持つ膨大な魔力を注ぎ込んで、猛烈な連射で魔力砲撃を撃ち込んだ!
巨大な炎の獅子の突進を、リュカの連射砲撃が迎撃する。
リュカの全勝を支えてきた、これが勝利の方程式だ!
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