魔法使いクラスの忍者先生

メバ

プロローグ

プロローグ

まえがき

久しぶりの新作。

前作『おれは忍者の子孫』の続きに近い物語となっています。

最初の段階では前作とのつながりはほとんどありませんが、途中からは少しつながりが出てくると思います。 


以以下、本編


ーーーーーーーーーー

枕元のスマートフォンの長い振動で、僕は目覚めた。


目覚ましならば音が出るように設定しているはずだった。


そもそも今日は日曜日だ。

目覚ましなんて設定した記憶もない。


だから電話だろうと判断した僕は、恐る恐るスマートフォンを覗き込んだ。


「まさか、お祖母様?」

そう呟きながら。


しかし画面には祖母を示す文字は表示されておらず、そこには見慣れない番号だけが映し出されていた。


「もしかしたら、ということもありますからね」

僕は小さな希望を胸に、スマートフォンへと手を伸ばした。


2度目の教員採用試験にも落ち、この先の人生がどうなるかと不安になり始めていた僕は、藁にもすがる想いだった。


そんな僕の気持ちを察しているかのような優しい声が、スマートフォンを通して僕の耳へと届いてきた。


若くはない声。

だからこそとも言うべきか、その声は慈愛に満ちていて聞いている僕も心安らいだ。


でもその優しい声は、さらに僕へと希望を与えてくれた。


「我が桜花おうか中学校で、教鞭をとっていただきたいのです。よろしければ、1度本校へお越し頂けませんか?」


「は、はいっ!是非とも伺わせていただま――いただきやす!!」


いつも意識している物静かな口調を忘れ、しかも若干噛みながらも僕はスマートフォンに向かって、叫ぶようにそう返した。

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