9月 September

『引き出しは開けないでください』 羽間慧さん

〇作品 『引き出しは開けないでください』

https://kakuyomu.jp/works/16818093074101962435

 

〇作者 羽間慧さん


【ジャンル】

 エッセイ・ノンフィクション


【作品の状態】

 1,100字程度の短編・完結済。


【セルフレイティング】

 なし


【作品を見つけた経緯】

 KAC2024に参加していた際、羽間さんがいつも読んでくださっていたこともあり、KACのお題でどんな作品を書いていらっしゃるんだろうと思いお邪魔したところ、こちらの作品を見つけました。


【その他】

 KAC2024参加作品。テーマ「色」。


【ざっくりと内容説明】

 高校教師をされている、羽間さんの引き出しの中について紹介されています。


【感想】

 突然ですが、皆さんは引き出しに何を入れていますか?


 私は結構文具を入れています。シャープペンシルの芯なんかは、切れないようにストックしているんですけど、近頃「B」とか「2B」のほうが自分には合っていたことに気づいて、買い置きしていた「HB」が全然減らない状況になっています(笑)

 学生のときだったら、クラスの子にでもあげるんですけど、社会人になってからはボールペンばかりで、同僚もいらないという感じでぜんっぜん減りません(笑)


 もう一つ質問です。

 学校の先生の引き出しを見たことはありますか?


 私はないんですよね、これが。先生が目の前で開けたときはあったと思うんですけど、見ちゃいけない気がして、そっぽ向いていました。見たら何か面白いものが入っていたのかなと思うのですが、どうだったのでしょう。

 あ、でも机の上にはいつもコーヒーと、高そうなお菓子が置いてあるのは知っています(笑)


 さて、余談はこれくらいにして。

 今回ご紹介します『引き出しは開けないでください』では、私立高校の教師をされている作者さんの職場にある引き出しの中身が語られます。ただそれだけなんですけど、人の引き出しの中身というのは、その方のお人柄がでるように思うので、「どんなものを入れていらっしゃるんだろう」と思いながら読みました。


 内容を見てみると、作者さんはどうやら色んな漫画やアニメのグッズを集めているようで、引き出しにはその一部が入っているようです。


 沢山の作品名が出ているので、きっと皆さんも知っているものがあるのではないかなと思います。


 それから何となく、キャラクター名が出ていないものは、作品に登場する多くのキャラを好いていらっしゃるのかなと思ったのですが、どうかな。勝手な想像ですけども(笑)


 作中に出てくる沢山の漫画のタイトルに、アニメのタイトル、そして推しのキャラクターたち。

 しかし、作者さんいわく作中で取り上げたものは全部ではないようで、「まだまだ書き足りない」とのこと。本当に沢山の作品と、キャラクターたちを好いていらっしゃるんだなと感じました。


 そしてそれらの「好き」が、作者さんの仕事の合間のいやしになっている。

 物語から飛び出してきたグッズたちの威力たるや、すごいですね。(教育現場がブラックなのも問題ですが……)


 作品から力を貰うこと……。話は脱線しますが、そういった話を聞くと次のような話を思い出します。

 学校に行くのが苦手なある小学生の男の子が、ランドセルに『ドラゴンボール』の漫画を入れて校門まで行き、そこで漫画読むことで学校に行けた――というものです。


 人の心に勇気を与えてくれる物語は、いつの時代も大人から子どもまで励ましてくれますね。


 ちなみに、学校に漫画を持っていたのは、『ドラゴンボール』が連載していたときの話です。

 今の教育現場(特に小学校)では、そういう授業とは関係ないものを持って行くと「無くした」「盗んだ・盗まれた」「隠した・隠された」「壊した・壊された」とかいう問題が出ると大変なことになるので、色んなことがゆるかった時代のいい面なのかなと思います。


 話しは作者さんの引き出しに戻りまして。

 生徒さんがその引き出しを見ることがあるのかないのか、見たときはどんな反応をするのか少し気になるところですが、引き出しの中身を自分の自由にできるのはいいですし(もちろん書類さえちゃんとしていることが前提ですが)、関わっている生徒さんのなかで、もし一つでも好きな作品のキャラクターグッズがあったら、先生と話をするきっかけになるかもしれないなぁ、なんて思いました。


 今日は『引き出しは開けないでください』をご紹介しました。

 それでは次回、またお会いしましょう。

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