第17話 『小人のポクルと 竜の子供』 碧絃(aoi)さん

〇作品 『小人のポクルと 竜の子供』

https://kakuyomu.jp/works/16817330654175213105

 

〇作者 碧絃(aoi)さん


【ジャンル】

 詩・童話・その他


【作品の状態】

 2,500字程度の短編・完結済。


【セルフレイティング】

 なし。


【作品を見つけた経緯】

『小人のポクルと 宝箱』の作品の続編ということで、読んでみました。(『小人のポクルと 宝箱』は当作品の第1話で紹介しています)


『小人のポクルと 竜の子供』

 https://kakuyomu.jp/works/16817330654175213105


【ざっくりと内容説明】

 小人のポクルの勇気と優しさの物語です。


 小人のポクルは、人間の街に落ちている宝物(小人の仲間からは「がらくた」と言われている)を集めるのが好きな子。


 本当は昼間に人間の街に行く方が、色んなものが見えるため好きなようですが、見つかってしまうと面倒なことになってしまうので、夜に探しに行きます。


 小人という小さい体のポクルの見る世界は、小さい者だからこそ見える世界。人ならば大したことのないものも、彼にとっては大きくて、小石なんかも避けなければいけない石になります。


 しかし、一方でいいこともあります。

 ベルのような形をした花に、蛍が入ってくれると立派なランプになってくれるんです。虫が苦手な方もいるかもしれませんが、でも蛍の光はとてもきれいで、ポクルの歩く道を照らしてくれます。


 さて。

 順調に歩みを進めると、二つに分かれた道に出ます。右に行けば人間の街。しかし、ポクルはどうしても左の道の先に見える、光っている空が気になってしまい、そちらに向かうのです。するとそこには、ポクルを食べてしまうような大きな生き物がいて……。


 どうやら今回は、ポクルにちょっとした危険が待ち構えていそうなのですが、果たしてどうなってしまうのでしょうか……!



【感想】

『小人のポクルと 宝箱』の続編。


 童話のような絵本のような、そして幻想的な雰囲気があるお話です。


 さて。

 主人公の小人ポクルは相変わらず人間の街に行って、小人の世界にはないものを探しに行っているようです。


 前作の『小人のポクルと 宝箱』では、集めていた物を仲間に「がらくた」と言われていたのですが、そのお陰で人間の女の子を助けてあげられました。(気になった方は上記にURLがあるので、良かったら読んでみてください~)


 今回も、人間の街で宝物探しをした知識が役に立ちます。


 ちょっと話が逸れる上に、私が勝手に思っていることですけど、ポクルはなんだか『風の谷のナウシカ』のナウシカみたいなところがあるなぁと思っていました。


 ご存じの方も多いと思いますが、『風の谷のナウシカ』ではナウシカの腐海ふかい遊びが、王蟲オウムの抜け殻を見つけることになり、それが谷の人たちにとって武器や生活の道具を作る材料になります。腐海遊びは危険なことです。ですが、そのリスクがあっても興味をもってどういうものかと知ろうとすることが、谷の人たちのためとなり、その先にある腐海とどのようにして共に生きていくかを探る手掛かりになります(話はもっと深いですが、ナウシカの話をしたいわけではないのでこのくらいにしておきます 笑)。


 ポクルも、人間に見つかったときのリスクがあります。しかし遊びに行って、色んなものを集めてくることで、人間や彼らが作った道具に対する知識が増えてきているんだろうなと読んでいて思いました。


 全然違うのは分かっているのですが、通じるものがあるような気がします。


 そしてポクルは、知らないことに対する興味も強いのですが、物事を冷静に受け止められるところもあって、偏見で物を見ることがありません。


 今回、タイトルにある通りポクルは「竜の子供」に会うんですが、小人にとって竜は自分を食べる可能性がある存在のようなんです。でも、竜が困っていたから助けてあげる。


 勇気もあって優しさのあるポクルだからこそだなと思います。


 助けた竜とポクルがどうなったのかは、是非読んで確かめてみてください。


 今日は『小人のポクルと 竜の子供』をご紹介しました。

 それでは次回、またお会いしましょう。

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