第2章 HANA-AKARI

第4話 興味のない自己紹介 1/2

「待ってたよー」


 声をかけられて顔を上げれば、

「今日はわざわざありがとうね」

 私より少し低い身長の、ポニーテールの女性が笑みを浮かべていた。


「いえ……」

 

 視線をやや下に向けて答えた。


 彼女以外は多分160cm台かな。


 可愛い子たちばっかり。


 斜め下を向いたからよく見てないんですけどね。 


 完全私、場違いだ。


 居心地がとんでもなく悪い。


 さっさと帰りたい。


「じゃあ、自己紹介していくね」


 私の気持ちを置いてきぼりに、勝手に自己紹介が始まった。


「私がリーダーの広美ひろみです。グループの中じゃ私が唯一170cmだから、麗華ちゃんが入ってくれたら嬉しいなあ」


 ポニーテールのこの人がリーダーなんだ。


 って、いきなりの『ちゃん』づけですか。


 別にいいんですけど、初対面でそれはなんか戸惑う。


 あと、無駄に付け足された理由。


 いやまあ……そりゃ一人だけ170cmだと浮くよな。


 私175cmありますから、入ったらバランスとれるのか。


「で、私の隣にいるのが――」


はるです。私たち、同い年だからタメ口でいいよっ」


 肩下で切り揃えられた綺麗な髪。


「いえいえいえ」


 そちらは中学生でデビューしてますよね。


 私は高校からなんですよ。


 初っ端からタメ口で話せるわけないでしょうが。


 なんなんだこの人。


「じゃあ次は私だね」


 春さんと同じく髪を肩下で切り揃えた女性が、口を開いた。


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