俳句系

べるがりおん

月ぬ夜

月の出に 寝床へ向かう 残り日か

先触れに つられて灯る 宵の星

惑いては 夜闇に染まる はぐれ雲

盾にして 瞬く星を 防ぐ月

白銀の 吐息残れる 淡闇夜


夏闇を 透かして光る 朧月

寄り添いて 月を見上げる 星一つ

黒々と 夜墨を塗られし 中天よ

ひそひそと 虫声聞こゆ 夏闇か

遠くにて 汽笛が響く 夜衣


電灯が 空しく点る 星無き夜

月明かり 窓から部屋へ 貫けり

雲に乗り ひと休みせる 三日月よ

朗々と 夜を照らすは 満ちし月

秋の中 雨と夜闇を 滴したり


悲しくも 月に届かぬ 我が腕(かいな)

山照らし 隠れ所を 捜す月

煌々と 光留めし 寒月や

寒きゆえ 震えて光る 白き月

夜高く 地に染み入る 銀の火を





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俳句系 べるがりおん @polgara

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