第20話 魔法の街の夜
1節 ランドルフ魔法店でお買い上げ
今、時雨はかなり疲れているようだ。とりあえず宿はチェックインしておいたので、その部屋に吾妻姉妹の2人に連れてってもらって、僕ら男子二人は魔法店で魔法に必要らしい道具を店員さんに教えてもらいながら買っていく。
主に必要なものは、服、魔導書、魔道具、そして各魔宝石の加工された宝石らしい。宝石を除いた3点は、1番初心者におすすめなものだと合計で5500ヘレトほどかかるらしい。今持っているお金の4分の1は流石に痛い。とりあえずそこは4人と要相談だ。まあ、たぶんあいつらならOK出すとは思うが。
「おーい矢矧」(朝凪
「なんだ?」(矢矧
「魔法に必要なやつ合わせると5500ヘレトらしい」(朝凪
『たっか』(矢矧・睦月・如月
「いつの間にあんたら来てたのか」(朝凪
「あんたら言うな」(睦月
「そーだそーだ」(如月
「んで、買う?」(朝凪
「俺は別に良いけどなぁ。別に今そんなに金ガンガン使うような状況じゃないし」(矢矧
「うちもー」(如月
「私も。本人曰く『とても疲れますが楽しいです』とのことだし買っていいんじゃない?」(睦月
「じゃあ買うか」(朝凪
「すいません、さっき教えていただいた商品を買いたいんですが」(朝凪
「かしこまりました。少々お待ちください」(店員
「お買い上げありがとうございます」(店員
買ったものはとりあえず車からかごを持ってきてそこに入れた。服が2000ヘレト、魔道具が3000ヘレト、魔導書が500ヘレトだ。
「各属性の宝石ってどれくらいするんですか?」(朝凪
「無属性なら250ヘレト、炎属性と水属性が300ヘレト、風属性と雷属性が320ヘレ
ト、自然属性と大地属性が400ヘレトです」(店員
「じゃあ、とりあえず無属性だけ買います」(朝凪
「かしこまりました」(店員
そう言うと店員さんは店の奥の方へ歩いて行った。数分後、小さな箱を持ってきたので、それと引き換えに全ての代金を支払い、宿へ向かった。
2節 すでに爆睡の時雨とその他4人
「ん〜………………」(時雨〈睡眠中〉
「……これどうする?」(朝凪
「どうしようなぁ。夕飯もこれじゃ食べられないだろうし」(矢矧
「時雨めっちゃ頑張ってたもんね」(睦月
「だねー」(如月
今はチェックインした部屋で5人で待機している。のだが、時雨が僕らの想像以上に爆睡しているので夜ご飯に時雨を置いて4人で行こうか迷っている。
「うーん。時雨ご飯好きだしご飯だよーって呼んだら起きるんじゃないの?」(如月
「いやそんなアニメみたいなこと……」(朝凪
「そうだよ。流石にね?」(睦月
「まあ、時雨は確か睦月の料理好きだったし呼んでみたらどうだ?」(矢矧
「え、えぇ……」(睦月
「時雨ちゃーん!ご飯だよー!」(睦月
「いや流石に—」(朝凪
「おはようございます!」(時雨
「食いしん坊かお前は」(朝凪
3節 美味しい料理と夜
「うわぁ〜美味しそうです!」(時雨
「マジでご飯だよって言ったら起きるとは思わんかったわ」(朝凪
「まあ可愛いし良いじゃん」(睦月
「そーそー。しぐれんはかわいいんだよ」(如月
「やめてくださいよぉ……」(時雨
今は夜ご飯だ。だがもうみんなほとんど食べ終わっていて、あと5分もすれば全員完食くらいだ。なので雑談をしながら、ゆったりと食べている。
「ねーねー魔法って使ってみてどんな感じだった?」
「どんな感じと言われましても……体の奥から力が湧き上がってくるような感覚ですね」
「へぇ〜!」
「今日はなんの魔法を使ったの?」
「攻撃魔法3種類と、防御魔法1種類ですね。明日は回復魔法も教えてくれるそうです」
「いやー楽しみだなあ時雨が魔法使ってる所見たいわ」
「明日ランドルフさんに許可を貰えられれば見れると思いますよ」
そんな話をしているうちにあっという間に食べ終わり、僕らは部屋へ戻った。
「ねーどーする?」(如月
「どうすると言うと?」(朝凪
「いや、暇じゃん?」(如月
「せやな」(朝凪
「なんかさ、この時間帯に寝るのはもったいなくない?」(如月
「そうですかね?もう21時ですけど」(時雨
「え〜まだ21時じゃん!」(如月
「別に寝ても良いだろ。特に時雨はさっさと寝かさないと明日大変だぞ」(矢矧
「そうだね。早く寝よう」(睦月
「えぇ〜……」(如月
「すげぇ9時に寝るなんて何年振りだろ」(朝凪
「お前はもうちょい健康的に生活しろ」(矢矧
「ちょっと無理」(朝凪
「じゃあ寝ろ」(矢矧
「へ〜い」(朝凪
僕らは21時頃眠りについた。
4節 魔法の
「よし。今日は草属性の回復魔法と、土属性の防御魔法を教えよう」
「はい。よろしくお願いします」
「おお〜なんか本格的」
「楽しみだな」
「草属性は主に回復や能力の向上を行う。今回はその中でも1番基礎的な、“ヒール”を使えるようにする。次に土属性は、昨日やったロールシールドをより強固な防御ができるようにして、それ以外にも防御魔法を覚えよう」
「わかりました」
私は、渡された茶色い土の宝石を斜めがけのベルトに
「あ!すごい目の色が違う!」
「ほんとだ!茶色と赤のオッドアイだ!」
「すごいな」
「すごーい!」
私はすぐ目を逸らし、魔法の方へ集中する。
「“ロールシールド”」
すると私から1メートルくらいの距離に3枚のシールドが等間隔で出現する。そして、回転しながら私を防御し始める。そしてそれに、ランドルフさんが剣で攻撃を始める。
「っ!」
シールドを攻撃される度に、魔力が少しずつ減っていくのを感じる。その度に少しずつ疲れが出てくる。でも、突破されないように必死に耐える。
すると、唐突に攻撃が止んだ。
「昨日より耐えられるようになったな。それじゃあ次の魔法をやろう」
「はい」
「次は、“ピラー”だ。これも初級魔法だから魔法陣とかを展開したりすることはな
い」
「わかりました」
集中し、唱える。
「“ピラー”!」
すると前方2メートルほどの位置に、高さ2メートル横幅3メートルくらいの柱が出てきた。
「これで守るってことですか?」
「そういうことだ。これは一度建てたらまたピラーを魔法を使うまでその場に残る」
「そうなんですね」
「ああ。それじゃあ、他の属性の防御魔法とか草属性の回復魔法も教えていくからな」
「はい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます