第4話

 今回出てくるキャラは3話の後書きに書いた人たちです。

 べ、別に改めて紹介書くのが面倒くさかったわけじゃないんだからね!

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『AにコルトValk、BにセシリアFaiceだな。てことはミッドにアフィリアMythsだな、ピークに注意して。』

『『了解』』


 唐突ですが現在俺はRyukaさんとSigM4さんの二人とパーティーを組んでMythsさん、Faiceさん、Valkさんと戦っています。






 どうしてこうなったのか、事は部屋に入った直後に遡る。




 部屋に入った俺を迎えたのは5人の選手。みんな見たことのある顔だ。


 それもそのはず、彼らはオフラインで行われる国内決勝リーグでも戦っていたCWの現ロースター。ViX部門のメンバーだ。


「どうもRyukaリュカです。君のクリップ見たけど俺と一緒のマッチ以外も半端なかったよ。ぜひね、俺の後のフレックス枠を継いでください。うん。俺はこれからVCオフ即ピブレイバーでやりたい放題するから」

「ちょっとリュカさん?!何言ってんの?!……おっとと、ごめんね。僕はMythsミィスです。同年代だから仲良くしてね」

「次は俺やんな?Valkヴァルクや。あーっと、騒がしいけど堪忍したってくれ。あの二人はどうにも黙ることができへんらしいから」

「ヴァルクさん静かに」

「ヴァルクうるせぇ」

「なんでや?!」

「あはは‥‥まぁいいか。どうも、SigM4シグマです。ごめんね、みんなうるさくて。口が悪いのも気にしないであげてくれると嬉しいな。これでも彼らは仲間想いなんだ。例えば‥‥‥ヴァル坊なんかはこの前ね────」

「ちょ勘弁してや、シグさん恥ずかしい!フェイス!フェイスも早く挨拶しいや!」

Faiceフェイス。……よろしく」

「あかんこいつ生来の無口に人見知りまで合わさっとる!顔が仏像みたいになってるやん!」

「ヴァルク!お前は顔がうるさい!」

「だからなんでや!!!」


 なんとも騒がしい中、Tasさんが手を叩く。


「はいはい皆新人加入するかもって興奮し過ぎだよー!落ち着いてー…………はい。Riv4l、自己紹介していいよ」


 Tasさんの鶴の一声で、彼らは静かになってこちらを見た。


 画面の向こうで見たスターたちが間近にいるという光景に気圧されてるばかりではいけない。これから仲間になる人だ、気を取り直して挨拶しなくちゃな。


「はじめまして、Riv4lです!これからお世話になります!よろしくお願いします!」


「「「「よろしく(な)ー」」」」

「……よろしく」


「よし、とりあえず挨拶はできたね。じゃあ早速だけど本題に入ります。……今からみんなには3v3をしてもらいます。Riv4lがいるチームに負けたら負けたチームの誰か一人は今シーズンすべての試合でスタメンを外れてもらいます。そしてRiv4lはここで存在を示してください。そこで今後君をどう使うか審査します」


 唐突なスタメン戦争の宣言。思いもよらない言葉に部屋の空気がひりつく。


「チーム分けはピックプール使えるキャラのことも考えてMyths、Faice、そしてValk。もう片方はRiv4l君に加えてRyukaとSigM4だ。じゃあくれぐれも気を引き締めて頑張ってね」


 言うだけ言ってTasさんは部屋の外へ出ていく。理由の説明もなく、先程まで丁寧で優しかった彼はどこに行ってしまったのかと目を疑うレベルだった。


「……また唐突だけどTasのやることだしね。なんか知りたいことがあるんだろう。さぁ、やろうか」


 そんなRyukaさんの言葉で、訝しみながらも部屋に残された6人は戦う準備をし始めたのだ。



 そして現在。


『1枚やった!…悪いやられた、右にもう1枚!』

『やった。設置通していいよ』


 俺は国内のトップ選手たちの凄さを実感していた。単純な撃ち合いだけでなく、スキルの入れ方からタイマーの管理までランクとは違う。報告の質もランクより数倍高い。カバー意識や戦い方も、まるっきり別のゲームのようだった。


「すいません!」

『どんまいどんまい、次エコね』


 13本先取すれば勝ちのこのゲームで今のスコアは7対2。更には今のラウンドで俺がラストの1v1に負けたせいで次のラウンドで装備やスキルを買う金がなくなってしまった。


『基本的にMythsがワンピック狙ってくるだろうから、最初は待ちで、サイトはSigM4のスキルで入ろう。エントリーは左見るから右のクリア意識して。武器差もあるし次はBサイトかな』

『了解。最初はAメインのコントロールからするね』

「了解です!」

『おっけー、フラッシュもメインに入れて手伝うわ』


 始まったラウンドでも一瞬のジャンプピークをMythsさんのSRで抜かれ、人数不利を背負ったままジリジリと押されていく。


 攻守が入れ替わったあと、RyukaさんのクラッチやSigM4さんの丁寧なプレイ、そして俺の耐えスモークを駆使した立ち回りで盛り返したものの、力及ばず結果的には13対8で負けることになった。


「これが国内トップ層か……」

「おつかれさん!即席にしては良かったで!どうや、手応えは?」


 試合が終わりValkさんが声をかけてくる。


 この人のスモークはいい意味で最後までやらしかった。スモークを入れるタイミングも俺たちが丁度メイン通路を進行し始めたタイミングだし、少人数戦ではヘブン下を意識させるかのようなスモークを炊いて実はサイトの外にいることもあった。わざとスモークが炊かれなかったときもあったし結構好き放題に荒らされた気がする。


「…めちゃくちゃ悔しいです。絶対強くなって次は勝ってみせます」

「おお、やってみぃや!まぁまだうち所属になるかは分からんけどな!ハッハッハ」


 その後もそれぞれに声をかけられ、激励される。いい人ばかりでチームとしてのまとまりもある。まとまりがなかったRFRubyFoxとは大違いだった。


 ここに来るときもCWに入りたいと思っていた。だけどこの試合を通して彼らのことを知って、もっと入りたいと思えるようになった。


「ん?勿論契約は成立だよ。君の評価はみんな良かったしね」


 だから後日家を訪ねてきたTasさんに改めてそう言われたときは心底安心した。

 ここからが俺の第二章。頑張らないと!


 ちなみにTasさんが帰ったあと、部屋で気合を入れるために叫んでたら、母さんに見られてすごい恥ずかしかった。


「あんた、やっぱりまだ子供ね」


 うるさい。

 ほんとに勝手に入ってこないでほしい。



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【みんなの反応】Tas:彼はどうだった?


 Ryuka:まだ動きは甘いところもあるけど、やっぱりいいね。大会に慣れれば化けると思うよ。2ホールダー構成とかもできそうで、チームとしても動きやすくなると思う。


 Myths:強かったと思います。最初は自分で撃ち合いに来てたけど、途中から動きを変えてカバーに注力してたのも良かったです。


 Valk:フレックスってことやし、ロールを大会の中で変えれそうなんはええな。勿論他のメンバーにも負担はかかるやろうけど、ピックプール広くて柔軟に合わせられそうなんがうちにもおるし、賛成や。彼個人で言うなら試合の流れ変えるのとか得意そうやね。スモークの炊き方もしっかり潰すとこ潰しとったし、丁寧で良かったわ。


 Faice:‥‥‥スキルと立ち回りが丁寧。‥‥‥撃ち合いも弱いわけじゃない。気負う部分はあったと思う。‥‥‥でもそれでこれなら問題ないと思う。


 SigM4:もうすぐある日本予選の後くらいに僕と完全にスタメン交代するのも有りなんじゃないかな。良いプレイヤーだと思うよ。若いし成長幅が大きそうだ。あとロール全般に精通してるから相手の嫌なことやこっちのして欲しいこと、そしてその逆ををすぐに理解して立ち回りを変えられるのが高評価だね。

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