第2話 幽霊のメッセージ

 私は、幼い頃から心霊現象に興味を持っていた。その興味は、幽霊の存在や不思議な現象に対する好奇心から生まれたものだった。ある日、友人たちと心霊スポットとして知られる廃墟に訪れることになった。


廃墟は、昔、病院として使われていたという。その建物は、朽ち果てた壁や崩れた天井からは、昔の栄光を感じさせるような雰囲気を漂わせていた。私たちはドキドキしながら中に入り、夜の心霊体験を楽しもうとしていた。


真っ暗な廊下を進む中、急に足元から冷たい風が吹き抜け、私たちは鳥肌が立つほどの寒さを感じた。すると、遠くの部屋からかすかな声が聞こえてきた。不思議な引力が私たちをその方向に引き寄せるようだった。


部屋に入ると、そこには淡い光に包まれた幽霊の姿が立っていた。私たちは驚きながらも、彼女に話しかけることに決めた。幽霊は、名前はユキと言い、この廃墟に何かを伝える使命を持っていると語った。


ユキは、自分が病院で看護師として働いていた頃のことを話し始めた。彼女は、ある日、患者の一人が突然亡くなったことで強い後悔と恐怖に苛まれ、自分自身も命を絶ってしまったのだという。その後、彼女の霊はこの廃墟に留まり、自身の罪を償おうとしていたのだという。


ユキは私たちに、自分の家族に伝えたい言葉があると言った。彼女は家族を大切に思っており、自身の死で家族が傷つくことを懸念していたのだ。私たちは彼女の思いを理解し、彼女の家族にメッセージを届けることを約束した。


その後、私たちはユキの家族に連絡を取り、ユキのメッセージを伝えた。家族は驚きながらも、ユキの存在を受け入れてくれた。彼らはユキの死によって深い悲しみに暮れていたが、ユキが伝えたメッセージによって心に少しの安らぎを見出すことができた。


私たちはユキの家族と共に廃墟を訪れた。彼らは緊張と興味を抱きながら、ユキの霊と対話する機会を得ることになった。再び廃墟の中へ足を踏み入れると、幽霊の姿がそこに現れた。


ユキは家族に感謝の気持ちを伝え、自分が彼らとの絆を失くしていないことを伝えた。彼女は家族に対して深い愛情を抱き、自分の死後もずっと見守っていることを伝えることができたのだ。


家族はユキの言葉に涙を流し、亡きユキとの絆を再確認した。彼らはユキが安らかに眠ることを願いながら、彼女を心の中に刻み込むことを決めた。


その日以降、私たちはユキの霊を通じて他の霊的な現象の解決にも取り組むようになった。私たちの周りには未解決の思いやりや後悔を抱えた霊たちが数多く存在していた。彼らが持つメッセージや願いを受け取り、それを解決へと導くことが私たちの使命となったのだ。


心霊体験を通じて、私たちは生と死の繋がり、愛と後悔の力を知ることができた。幽霊たちの存在が、私たちが忘れかけていた大切なものへの気づきをもたらしてくれたのだ。


ユキの霊は、私たちの心の中にいつも生き続けている。彼女の遺志を継ぎ、私たちは心霊現象の解明と霊的な存在との対話を続けていく。人々の心に平穏と希望をもたらすために、私たちは闇と向き合い、光を見つける旅を続けるのである。

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