第10話 体力不足

「随分お隣さんと話していたみたいだが?」

はあ、やっぱりそのことか。

「そんなに話してない。そもそも話してたっていいだろ」

ニヤニヤした顔がムカつく。なんだこいつ。

「いや?まあいいんじゃないか??」

なんだこいつ(再)

「…勉強再開するぞ、分からんところあったから教えてくれ」

話題を逸らしたわけではない。断じて。俺は負けていないからな。

「へいへい。まあ任せたまえ」

教えてもらうしかないのが悔しい。いつか越してやるからな…

なんて実現できるか分からないことを思いつつ、勉強を再開した。


「ふぁあああ…」

固くなった体を伸ばす。

朝になり翠が帰って、勉強もひと段落ついたので休憩しようと思う。

んー…コンビニ行くか…アイスとか食べたい気分だし。

扉を開けて外に足を踏み出した瞬間、暴力的な猛暑が体を襲う。

…うわぁ、あっつ。まだ本格的な夏じゃないとか絶対嘘だろ。

暑さのせいか、それとも疲労か。体が少しフラフラする。

いや、少しじゃない。これはやばいやつだ、と思った頃には既に遅く、俺の視界は暗転した。

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