午前4時、家主のいないしじみ貝。のびた影射す赤い提灯
この街は開発によって、安全になった。
花街の歴史を持つこの街の午前4時は、
道路の真ん中で倒れているサラリーマンや、タクシーを待つフィリピンの女性をよく見かけた。
けれども、今は安全な街になった。
ピカピカの駅に向かう人の列。
離れた場所に、飲み捨てられたシジミ貝を見た。
私はその茶色の貝をじっと見る。
こういうものに安心を覚えるのは、なぜだろう。なぜだろう。
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