第3話
あ、肝心な入部届出すの忘れた挙句今日体操服持ってきてない。
こういう場合ってどうするんだろう。第一弓道部って文化部なの?運動部なの?日本の武術の伝統とかいう観点ならこれはおそらく文化部なのだろうが、学校の入学案内の部活動紹介ページには運動部として載っていた。
「これは、哲学の域なのかもしれない」
仮に弓道部が文化部だとしたら、剣道や柔道も文化部とみなさなければいけないが、明らかこの二つは運動部。かといって運動部として見ると、書道部や華道部なども運動部?いやこれらは動いてないか。道の中にも運動よりと文化寄りが――――
「清水君!話聞いてる?」
目の前に雪野先輩の顔があった。こんなに近くで誰かの顔を見たのはおそらく顔シューティングで画面越しに向き合って以来ではないか。
「先ほどまでの会話内容を脳内くまなく探しましたが皆目見当もつきません!」
「素直でよろしい!!次からはちゃんと 人の話は聞くように!」
「はい!肝に銘じます先輩!!」
「よろしい。じゃ、あっちで新しく入った一年生集めて説明とかあるから、まずそこに行ってきてね」
「御意!」
勢いよく返事したのはいいけど全く知らない人ばっかだなぁ。。。やばい、持病の同学年およびその学年の上下1学年恐怖症が!!(とは言いつつもちゃっかり一年の群れには入り込んでいる)
ていうか入部届だしてなくても行っていいんだろうか
「全然問題ないよ。明日だせばいいし」とのことだったが、明日土曜だしな。。。
とか思いつつ適当にできてる群れに顔を突っ込んでみる。
「番長それやりすぎだってw」
「いやいやこれくらいしとかねぇとなー」
あだ名番長とかどんな不良少年なんだよ!え、ここ仮にも偏差値60は要った気がするんだけど。てかどんな会話よ。まさか、喧嘩相手のぼこしかた!?
とか一人で想像してたら、群れの外から俺に声がする。
「おう!えと、名前なんやっけ」
おっと、野生の同学年が話しかけてきたようだ。第一印象としては。。。なんだ?なんなんだこの俺の苦手なタイプを凝縮して恐怖を味付けしたような俺キラーな雰囲気は!?
「体が、お前と話すのはよした方がいいと拒絶反応を起こしているッ!」
「失礼かお前!こちとら自己紹介しようと思ってるだけだわ」
「ひえぇええ怒鳴っていじめてくるぅうううぅううぅ!!」
「お前の支離滅裂な言葉に対してツッコんでるだけだわバカヤロー!」
――――――――少し落ち着いて。。。―――――
「ハァ、ハァ、で、お前の、ハァ、名前は?」
あのあとめちゃくちゃ
「ふ、なかなかおぬしやるではないか。仕方なく教えよう。私の名は清水由良。人呼んで’’親切心の塊’’’!」
豆腐が好きなやつはたいていみんな優しいこころの持ち主である(自己理論)
「。。。もう無視していくからな。俺は
「んじゃあ八雲って。。。いや、なんかお前俺の嫌う感じのキャラだからすぐみんなに名前呼びされそうだな」
たいてい陽キャは出会って五秒で名前呼びしだすからな。こいつもその類に入る。いけ好かないやつだ。嫌いじゃないけど(矛盾)
「お前の嫌うはそれ妬み嫉み100パーセントだろ。絶対陽キャ根に持ってるだけだろそれ」
「なあゆかりんって呼んでいい?」
「え?」
「ねえゆかりん、ゆかりんって呼んでいい?」
「は?」
「ありがとうゆかりん!ゆーかりん♪」
「のぉおおおおぉぉおおおおおぉおおおお!!!!!絶対にやめろぉっぉおおおぉぉぉおおお!!!」
「あはは、そんなに喜ばなくてもいいってばよ。盟友だろ?」
「なんで苗字にも名前にも入ってねぇ、まして人生で一度も呼ばれたことのないメルヘンな名前で呼ばれなきゃいけないんだよ!」
「あだ名ってたいてい最初は呼ばれなれないもんだよ。時期に慣れるって。ねぇ、ゆかりん!」
「だからやめろぉおぉぉおおおぉぉおおぉ。そもそもどうしてゆかりんなんて不名誉な名前つけられなきゃいけないんだよ!」
「おま、ちょ、不名誉とか言うな!これは八雲という名をもつものしか呼ばれることができないんだぞ!俺だって風見なんて苗字だったら、ゆうかりんとかいう尊いあだ名ついたのに。。。」
「一人で熱くなって一人でしょんぼりするな!その世界観に俺を置いていくな!!」
「こらそこ二人。特に清水君!君さっきの話聞いてた?」
「会話内容を脳内くまなく探しましたが皆目見当もつきません」
「素直でよろしい!!あと一回までだからね。それ過ぎたらくすぐりの刑だからね」
え。。。ご褒b(殴))))))))))
今日の進歩
お友達ができました (ゆかりん一名)
明日から休日だし、土曜の朝練は陽もくるからな。今日は顔合わせだけだから、明日から頑張って弓道マスターなるぞ!
「おれ卒業するまでゆかりんなのか?。。。。」
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