魔法少女モノの中に放り込まれたネタ的存在

黒はんぺん(バカ)

第1話:ナマモノ・ミーツ・ボーイ

 梅雨が明けていよいよ夏本番まで秒読み、そんなよく晴れた日のことだった。俺、川崎辰也かわさき たつやは学校から家へと帰路をたどっていた。

 いつも通りの住宅街。十字路を曲がりそろそろ家だというところで、いつもどおりじゃないナニカがそこにあった。


「…何だ、あれ」


 数mほど先にあったグチャグチャの赤黒いナマモノ。見た者全てに嫌悪感を抱かせるような不気味さを持つそれは、こちらを凝視するかのようなそぶりを見せた後、グニャリと哂った。顔なんてのがどこにあるのかもわからないのに、何故かそう思えた。

 

 次の瞬間、ソレはこちらに飛びかかってきた


「うぉっ!?」


 こんな気持ち悪いモノにタックル…というか接触されては堪ったもんじゃない。そう思い反射的に体をずらして避ける。

 すぐにナマモノの方向を向けば、二度目のタックルをしようと体勢を整えていた。こちらもすぐに避けれるよう警戒を強める。


「…ここっ!」


 タックルの射線(?)上に入らないように右へ3mほど跳ぶ。あんな得体のしれないナマモノでも流石に空中で別方向に移動してきたりはしないだろう。

 

 そう安心して一息ついた瞬間、俺は頭からナマモノに呑みこまれた。

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