第246話 学校に行くとフルメンバーを祝われた
「大変だよタカシくん、朱雀さん人気が爆発しているよっ」
クラスのドアを開けると、みのりがデデデと走って来てそう言った。
「お、おう」
やっぱり陰陽師上がりのメンバーと言う事で特別感があるのかな。
「朱雀さん入って『Dリンクス』がフルメンバーだな、おめでとうっ」
「陰陽師なんでしょ、京都の学校からここへ転校してくるのかな」
「美人でミステリアスで良いよなあ朱雀さんっ」
みんなが朱雀さん加入を祝ってくれるのは嬉しいがそこをどけ、席に行けない。
「おい、あたいらの【
「まったくふてえタカシだ」
まだ『ダーティペア』が絡んできた、だれの【
「陰陽師とのつながりも大事だからな、というか、おまえらも新メンバーは?」
「いささか難航してる」
「ろくな奴がいねえ」
「遠距離と回復役は居るぞ」
「んぐ~~、だれか坊さんいねえか?」
「『
『ダーティペア』のくせに贅沢な。
「先生達が無断で六階入ってずりいぞ、あたいらも行きたい」
「そうだそうだ」
「六階は危ないからなあ、先生達が十階越えたら手伝って貰え」
「半グレは、こわいな」
「あいつらこええ」
さすがに不良だけはあって半グレの恐ろしさは解るようだ。
一般の生徒がレベルが上がると半グレを舐めたりするからね。
半グレの怖さは喧嘩が強い事じゃない、どんな卑劣な事も平気でやってくる精神性の方だ。
「おまえらの新メンバーなあ」
「うおっ、後醍醐先輩!!」
「おはようっす!!」
いつの間にか後醍醐先輩が『ダーティペア』の後ろに立っていた。
「わりと真面目に五階で修行してるみてえだから、口きいてやりてえけどなあ」
「わ、ほんとっすか、イケメンイケメン紹介してくださいよっ」
「イケメンの魔法使いとイケメン
「そんなすげえ奴は余ってねえよ、ちょっと探してやんよ」
「「ありがとうござっす」」
『ダーティペア』も前進するか、良いかもしれないな。
俺は自分の席に付いた。
いつものように、みのりが吉田の席に座り、東海林とマリちゃんが椅子をもってきた。
「今日は『Dリンクス』のメイン狩りだろ、三十階超えを見てくんのか?」
「朱雀さんが入ったので慣熟と聖典さがしで二十階台をうろうろしますよ」
「まだ、二十三階でケロベロス探しのパーティが多いよ」
「そうなのか、トロール狩って【ハイヒール】を出したい所だけど」
「他の細かい聖典はどうするの?」
「【ヒール】【毒消し】【頑健】の三点セットは呪文屋さんで売ってるから、それを、それ以外はおいおい揃えて行く感じかな」
「今日は装備集め狩りか、そういう時もあらあな」
朱雀さんの装備も揃えないとね。
僧侶だから重装甲もできるけど、あまり重い装備は好きじゃないみたいだ。
「朱雀さん、今はどうしてるのかしら」
「チアキとくつしたと一緒に川崎大師とかに行ったよ、鏡子ねえさんも一緒だ」
「あら、お大師さん、いいですね~」
川崎大師は地元だからね。
久寿餅でも買っているであろう。
「京女が入って~~♪ リンクスが完成~~♪ 魔法使いが欲しかったけど~~♪ みのりんさんが頑張りなさい~~♪」
「チヨリ先輩、おはようございますっ」
みのりが立ち上がって挨拶をした。
「良い人が入ったわね、陰陽師な所がミステリアスで素敵よ。うちの社長が陰陽師ユニットを作って売り出したいと言ってたわ」
「なんでもDアイドルにしたがりますね、高橋社長」
「うちの社長はやりてなのよ~~♪」
朱雀さんがDアイドルか、まあ向いて無さそうだけどね。
「あと、社長が退魔武器注文したいって言ってたわ、コネあるかしら」
「無いですね、というか、国家機関から億で注文入っているので個人だと難しいかもしれません」
「退魔の弓でブイブイ言わせたかったのに」
そう言ってチヨリ先輩は口を尖らせた。
「というか、チヨリはムカデ部屋突破したのか」
「む、無理だったわ、私は十六階までのDアイドルとして生きて行くわ」
「もったい無い」
「ムカデ部屋は絵面がショッキングすぎますわっ」
「わかる~~」
なにかスマートな解法無いのかね。
部屋一杯のムカデというので二の足を踏むよね。
「オバケ階に行かないと【オバケ嫌いの歌】出ませんよ」
「ぐぬぬ、あれさえあればコモン
「まあ、出たらあげますけれども」
『Dリンクス』はドロップ率が良いけど、狙ったとおりに全部出るってわけでも無いなよな。
食料品とか遊びドロップとかも多いし。
今日の狩りで出たらチヨリ先輩にあげよう。
どうせ【鎮魂】狙いでオバケ階は行くだろうし。
先生が入って来た。
「おーう、後醍醐と北村は自分のクラスに帰れ~~」
「へーい」
「わかりましてよ」
さて、今日も授業が始まった。
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