第34話 最強の殺し屋クロは、真実を教える
シシルはドアを開いた。少女六人は恐る恐るその部屋に入ると長机の前に設置されている上等な革製の椅子に腰かけているレイの姿が見えた。
「レイさん!」
ミシェラがレイに声をかけると俺はすでに微笑んでた。そうだ俺も笑えるんだ。今までは任務の一環で笑いを演じていただけだけど今はオフだ。そんな俺でもいま笑えている。
だが今この場にいない方が良い人物がいる。
「シシル。少しの間空けてくれないか?」
「分かりました」
そう言ったシシルは黒い煙に包まれてその場にはもういなかった。そして完全にレイ達だけになった。もう演技をすることもない。
「怖がらせてごめんな?」
『大丈夫だよ!!』
盤上一致で大丈夫だよと声をだす。それで俺は今回この六人を呼んだ理由を話す。
「みんな。先に謝らせてくれ、俺はきみたち六人を観察するために派遣された者だ。そして六人は合格だ。人格も良いし実力はここでつければ何とかなるしあとはみんなの気持ち次第だよ」
レイのその答えにみんなは沈黙の時間が続いた。それから部屋の外から走っている足音も聞こえた。
ガシャ!!
「みんな何悩んでんの~?」
「ルイスさんじゃん!」
「だって私たちが六色光に入れるなんて……」
「ほら、皆自信を持つんだ!」
「そうですね……いまの学園生よりかワングレードアップしないとね!」
みんなの意志が団結した。俺はこれからはアルスアカデミア学園の学園生ではなくて今からは少しの間だけ殺し屋の最高戦力組織六色光のクロとして活動しなければならない。そしてエリス達はまだ色を授けられていない無色として活動する。
裏ギルドには無色として戸籍を作る。
「みんなそれでいいか?」
『は、はい!』
皆が声をそろえる。
六色光とはまだ言えないが一応公認としたからにはやむを得ないがほかのメンバーにも紹介するとしよう。
「ミレイユ。この人らが俺が見極めた人間」
「へぇ~良い子見つけたじゃんレイちゃんは……これからよろしくな!」
「はっはい!!」
「こちらこそ!!」
「本物だ……はい!」
「は、はい!」
「鍛えてください!」
「凄いです……」
「よろしくっす!」
そして次は……。
「ミルとリキッドこの人らが俺が見極めた最高の人材だ」
「あのレイさんがまさか仲間を見つけるなんて……」
「そうだな。レイは昔から他人が嫌いだったからな珍しい」
「うるさいなミル!!」
「仲が良いのですね」
「ミル様。私大ファンです!」
「やはりすごい……」
そして最後はまぁ飛ばしたいのだがこれもやむを得ないか……。
「おい。クソリリーとカノンこれが最高のメンバーだ。そしてリリーお前の妹もいるぞ」
「え? フェリンがいるの?」
「お姉ちゃん!!」
ここでみんなは『え?』と驚いた。確かにそうなるだろう。身近にいた親友があの最高の特殊諜報員だということは……。しかも生憎このリリーは他の団体や、学園生から見たらかなり人気だ。
まぁ。こいつは体格だけ良いのだがね。顔は世間体で言うならかなり可愛いという分類で、体も出るとこは出ててへっこむとこはへっこんでる。最高だ。
「で、クソリリーちょっといいか?」
「レイちゃん。お姉さんにクソは失礼よ?」
「あやまる。ごめんでだクソリリー」
「レイちゃんはいけない子だなぁ~」
確かに今ここにいるメンバーにはそう見えた。だがどうしてもこいつになれん。
そして六色光のメンバーになったってことは俺たちの隠れ家に連れて行くことになる。六色光の隠れ家は裏ギルドの中でもかなり厳重に警備と極秘裏にされている。
まぁ。雰囲気は近くに滝と崖がありその近くにある。この建物が俺が幼少期過ごした場所だ。
「これがレイが暮らした場所か……」
「エリスあんまり幼少期の事は詮索するな」
「わ、分かったは」
「でだ。この隠れ家には残り空き部屋が六個あるのだが好きなとこ使っていいよ」
「えいいの?」
「こんな私たちに部屋を与えるとは光栄です」
「レイっちありがとさ!」
「今日は早く休んで。明日は大本部の中の施設を色々案内するから」
『はい!』
もうここは上下関係の世界だ。六色光より下の組織は六色光に対して敬語を使わないといけないがここは俺が交渉したおかげで公式の場ではないときはタメを良しとした。裏ギルド長のカシルにそのことを言ったら「レイ君の好きにしたまえ」と言われた。
夜中の時だった。レイは皆が寝たことを確認して裏社会伝説の情報屋のルイスと合流した。集まった場所は六色光地下特殊訓練場の第一訓練場だった。俺は仕事服に着替えルイスとコンタクトを取り情報を貰った。
「あの六人には何も裏が無いのか?」
「そうだね。今のところはなにも見つからない。俺がこんだけ探して何もないなら信用していいかもね」
「分かった」
「それでどうだレイ。神童カルスティア霊峰院の会長は?」
「いま俺が直々に情報を探っているが、あいつはおそらくが学園生ではなく表ギルドの刺客だな」
「それは気を付けろよ」
そうして俺も隠れ家に戻りベットに入ったのであった。
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