番外編 ――六色光の休日――
今日は久しぶりの殺し屋休業日だ。さて何をしようか鍛錬するのも良し、ゆっくりグダグダするのもよし、何なら遊びに行くのも良し。さてどれをしよう……。
「レイちゃーん!!」
そうして俺の大切な休業日はこの女によって終了した。
「ってひどいよぉ~レイちゃん」
「うるさい」
「そんな事言わないでよ~」
「暑苦しい」
ピンクのタンクトップを身に纏っているこのだらしない女こそ俺が一番苦手とする人物【六色光ピンクのリリー】その人だ。
そして六色光には俺を含め男が4人いるが俺以外の男はなぜか今のリリーの恰好にくぎ付けだ。
「ミレイユさんミルさん、リリーさんの恰好かなりエロくないですか?」
「そうだなかなり良いな。ほれミルもそう思わないか?」
「俺は知らん」
「ったくつれないな~ミルは」
「ミルさんもみろってか」
リキッドはミルを煽る風ダジャレを言ったら壁に穴ができた。
「ほらリリーここ男が多いんだから服着なきゃでしょ!」
「え~、レイちゃんもそう思う?」
「俺は知らん」
正直ほかのメンバーが言う色気など別に俺にはどうでもよかった。ただ俺は少し思ういやだいぶ思うところがあるが……。
「リリー邪魔だ! むぅ~」
「はなさないぞ~」
「むぅぅぅぅ」
いまレイはリリーに抱き着かれてそれを追っ払うために思考錯誤していた。
「レイさんうらやましいですね」
「そうだなリキッド」
「……」
そういう会話をしていたらリリーがこちらに向いてリキッドをさらってレイと同じ事をした。リキッドも動揺に離れようとするがなぜか離れられない。
「なるほどです。レイさんが嫌う理由も分かります」
「分かったか?」
「分かりました」
「どうだった?」
「最高でした」
ドタバタドタバタと廊下を猛スピードで走る音が聞こえてその者以外のほかのメンバーのいる部屋にその者は思いっきり入ってきた。
「はぁ~はぁ~」
「大丈夫かカノン?」
「問題な……い……スファー」
「それならいい。で、なんだ?」
レイはカノンに急いでここにきた理由を聞いた。
「それがそれが!! やっと来たんだこのWー2020が!!!」
「Wー2020が来たんだな。でどうだ性能は?」
「これがまた凄いんだよ」
「カノンちゃんは本当に銃が好きなんだよね」
「おいどけ」
「いやだもん」
「もうしらん」
レイはあきらめた。そして六色光の緑とはこの目の前のお姉さん風の女性のカノンがその人だった。
カノンは裏社会では緑とか、鷹の目とかいろんな二つ名で呼ばれている。その理由も明確でターゲットを始末するときは決まって銃を使う。それもバリエーション豊富だ。俺が見た中では、サイレンサー付きの隠密系、周囲を一気に殲滅する爆撃系や、ターゲットを連続して排除する速射系。そのたいろんな系統の狙撃銃を使う。
でだ。今回カノンが買った特製の銃は【W-2020】だ。これはフルプラで作られているらしい。これもまた珍しい。フルプラとはとても軽い素材でフルコーティングされている塗装の事でかなり軽くなる。指で持てるぐらいには。
そしてカノンは皆を連れて射撃場へ向かう。
バン!!スプ……。色々な銃声が聞こえる。
「スコア650……おそろし……」
「カノンお前すげーよ」
「カノンちゃんバケモノだわ」
「カノンさん強いです」
その場にいたミレイユとレイとリリーとリキッドが皆同じ事を口にする。この世界の殺し屋は自分から好き好んで狙撃銃を使う者が多いのだが、その者達でも大体スコアが200行くかどうかなのにこのカノンと言う銃のエキスパートは650も取れているこれは狙撃素人のレイが見てもかなりバケモノと言える。
レイは特訓をしていた。いつか使うかもしれない重力魔術やその他魔術を一から特訓していた。
「おお、リキッドかどうした?」
「レイさんはなんで魔術を使わないの?」
「あぁ。前も誰かに言ったのだが、殺しの任務は殺した後が本番で俺は魔術と言う痕跡の塊を仕事に取り入れたくないんだ」
「なるほどね。でもそれも特訓すれば痕跡なく使えるけど」
「ごめん、それはリキッドだけだ」
「あはは、そうかもしれませんね。僕も科学や魔術が大好きでいつの間にかそうなってました」
このリキッドの事は後で説明しよう今は鍛錬がしたい。
「では行きますよ!!」
声がかかると同時に岩が投げ飛ばされた。
「……」
俺は無言で意識を岩に向けて岩を見る。そうすると岩は割れるなり別の方向に投げ飛ばされるなりいろんなことになった。これがいわゆる重力魔術だ。俺の重力系統なら力のベクトルなどを変えることができる。だがこれは個人情報の塊を一般道路に設置する事になるからなるべく使わない。
「レイさんのベクトル変換はチートですよ」
「確かにこれは強い」
「どんだけ投げても絶対に当たらない」
どんどんレイと逆方向に岩が飛んでいく。それはもう岩がレイを避けてるみたいだ。
そうして六色光の休日一日目が終わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます