第23話 最強の殺し屋クロは、実技実践をする
あれから連休が終わり、よし大会再開だ!と思った矢先急に教室で教授から大会は一時中止になったと報告があった。
「ったく、どういうことだよ……」
俺が予想している通りだと、この学園島には何か裏があると思う。今回の件はおそらくだが六色光と関わりのある理事長には関係ないと思う。そうだとすると理事長の上の存在にある……。
「評価議員だな……」
そんで俺ことレイは今、今週ある実技実践と言う課外授業の説明を受けている。
「でここまでで何か分からないことはあるか?」
「教授!」
「なんだミシェラ」
「この班とはどのように決めるのですか?」
「それは各個人で決めてもらう」
色々な質問が飛び交う中、簡単に今回の課外授業をまとめると。今回六色光に通づる情報屋や提供屋が保有している依頼をこのアルスアカデミア学園に回してもらって。その依頼を代わりに生徒たちが依頼をこなすと言った簡単なことだ。
「生徒がやることを考慮してあまり難しくない内容ばっかだな」
最近はシシルとペアが多いレイは昔はどんな難易度もたった一人で達成すると言った化け物だった。
「ねぇねぇ。レイさんは誰と組むのですか?」
「あぁ。フェリンか、俺は余ったところでいいかな?」
「じゃあ私と組むわよ!」
そして今回のペアだが、まぁいつものメンバーだな。
「で今回の任務は裏組織とつるんでいる闇医者の排除らしいは」
「そうなんだ」
「少し緊張しますね」
「レイっちが居れば百人力だね!」
「期待してますね」
変に期待されているが、今回この任務には裏がある。そのことだけは俺だけしか知らない。
一週間前……。
「おはよ~レイちゃん……」
ピンク色の髪をひらひらさせながらゆっくり階段を下りてくる。もうそれは間抜けな顏だ。
「おはよう。でなんの用だ?」
「レイちゃん少しお話しようよ」
毎回毎回こいつときたら……。まぁ~それもたまにはいいか……。そしてある程度近況報告や色々な事を話した後にやっと本題に入る。
「一週間後に課外授業があるらしいけど。先に任務先を教えとくね。これは事前に理事長が私に教えた内容で許可も取ってある」
「任務とは?」
「裏組織とつるんでいる闇医者の排除だけどこれはもうカノンちゃんが潰した組織なの」
「ではなんで俺達が行かないといけないのだ?」
「それが理事長から言われた内容だけど、もう誰もいない病院に六色光の傘下の者を配置して、レイちゃんが参加したチームに相手と圧倒的に差がある時の対処法を探せと言うのが目的らしい」
「強くなれば解消される」
「ぶーだ! それはレイちゃんだけだぶー!!」
って言うことが一週間前にあったことだ。
そして実施当日レイを含めた色々な班はアルスアカデミア学園の中央広場に集められた。
「ではみなのどもくれぐれも無事に任務を果たすことを願う」
キラ!って感じの視線をレイは感じた。多分理事長なのだがレイはそれをスルーしてそっぽを向いた。
(俺たちの班だけだよなヤラセは……)
「おいおいレイ。緊張してんのか?」
そういうルイスはそのあとレイの耳元へささやいた。
「(おいレイ。お前も聞いているよな?)」
「(当たり前だ。俺たちは自然に見えるように立ち振る舞う)」
「(分かっているならいいぞ)」
「二人ともコソコソ名に話しているの?」
「いや何でもないよエリス」
「それならいいや……」
そうして俺達の班は学園島を後にして目的地である病院に向かう。その病院がある街に着いたレイ達はひとまず宿をとることにした。その際にも俺とルイスは裏で報告をする。
「もしもし、レイだ。今日の報告をする」
「レイさんじゃん。ほいほい報告を聞こう」
「珍しいなリキッド。でだ……。今日、目的地であるA街の安い宿屋に滞在している」
「報告ありがとねレイさん。っあそうだ! リリーちゃんが言っていたけどね、病院の中にいる我らの傘下の人なんだけど事前にクロとルイスさんが来るのを教えているので!」
「それは助かるありがとうリキッド」
レイは気持ちよさそうに通話を切る。おそらくレイは通話相手がリリーでなかったのでうれしかったんだろう。
そして作戦当日、例のごとくレイの班は前日に建てた作戦通りに正門と裏門に分かれて行動している。
正門はレイ、ミシェラ、フィスラントの三人だ。
裏門はフェリン、スミ、エリスの三人だ。
正門組は、まず病院の正門の警備をしている門番二人をミシェラとフィスラントの二人で殺して、レイはその時中に侵入して中にいる普通の警備員を排除する。
裏門組は、正門組が起こしたアクションで裏が手薄になる時を見計らって中に侵入して屋上から徐々にクリアリングをしていき後にしたから来る正門組と合流してターゲットを探す。
これが今回の作戦だ。
「よしみんな準備は良いか?」
「いいですよ!」
「準備満タンです!!」
「二人とも行くわよ」
「了解ですエリスさん!」
「早くレイっち達と合流するぞ!」
そうして俺達の初めての任務が開始された。
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