第2話 最強の殺し屋クロは、自己紹介をする
扉が強く開いた音がした。レイはその正体を探るべくリヒーに案内された部屋を出て二階の柵から一階を覗いた。
「やぁーつかれたつかれた!!」
「うるさいよリリー。少しは静かにしろよ」
「へぇー。ミル君はケチですね!!」
「……うるせぇーババアだ……」
「うわ!。今ミルッチ私のことババアって言った!」
家に入ってきたのはリリーと言う人物とミルという人物の二人だった。その二人はこれが通常運転と思わせるほど滑らかにボケやツッコミをやっていた。そうしているとミルと言う人物がレイの気配に気づいたのさ。
「おい、リリー。この家に侵入者がいる」
「えぇー!。それってこの私の出番かな?」
「残念なことにお前がやった方が情報は聞き出せるから頼む」
「わっかりました!!」
そしてミルはレイがいた柵の方を向き一本のナイフを飛ばしてきた。その速度は目には見えないスピードでだ。
そのナイフは的確に殺さない程度に位置をずらし頬の所に命中するように投げられていたがそのナイフが俺の所に来ることはなかった。
「あぁーごめんごめん。お前たちに言うのを忘れていた」
「これはリヒーさんではないですか」
「お!。リヒーさんだ。久しぶり!!」
「あぁ、久しぶり」
「そしてこの子は?」
「そう赤と黄と緑には話していたが。この子は私の家族だ」
「えっ!家族いたの?」
リリーと言う人物は凄く驚いていた。いやリリーはいつもテンションが高いだけかもしれないが……。
そしてミルとリリーと呼ばれていた彼らは仕事の報告だろうかリヒーに報告をその場でしていた。
「ナンバー青ただいま任務から無事生還いたしました」
ミルに続きリリーも同じように言った。
「ナンバーピンクただいま情報から解き放たれました事をここに置きます」
それぞれ報告の仕方が違うのかとレイは横で見ていた。
そしてこの二人もリヒーと同じ六色光だった。どうやらリヒーは六色光のメンバーとシェアハウスをしているらしくてここが本部でもあるらしい。
「でもリヒーっちが子供ね……」
「リリー私が子供を持つことが珍しいか?」
「いやいやそんなことないってば!」
この組織は仲が良いからこそできる言葉の回し方や、煽る方法。これはうらやましかったレイがそこには居た。
そして残りの色も集まり会議室で正式に自己紹介をし始める。もちろん最初にしたのはレイだ。
「……こ、こんにちわ……。レイと言います……」
おびえているレイをみてほかの色はクスっと笑う。レイの一つの行動でこのピリついた雰囲気を解消してくれた。そのあとに赤から順に自己紹介が行われる。
「俺はナンバー赤のミレイユだ。主に火力戦が得意とする。レイちゃんよろしくな」
かなりイケている人だ。
「先ほどはすまなかったなリヒーさんの子とは知らずに。俺はナンバー青のミルだ。特に隠密を得意とする。よろしくレイ」
かっこいい……。
「やっほ。僕はナンバー黄のリキット。主に研究をしているけど。この組織ではかなりの武闘派です!。よろしくねレイさん!」
暗そうに見えるけどいい人……。
「やっと私の番ね!。レイちゃん私の子と覚えてる~?」
「……え、うん」
「かわいい!。私はナンバーピンクのリリー。基本的に戦闘員ではなくて情報を聞き出すことをしているの!。レイちゃん……私の前では嘘はだめよ~」
「……あ、は……い」
これは少し困った、リリーは俺の中ではかなりめんどくさいタイプに位置しているがこのころの俺はただただ恐ろしいの一言だった。
「リリーあまり怖がらせてはだめよ?。私はナンバー緑のカノンです。レイちゃんもしリリーに変な事されたらお姉さんに言うのよ?」
「わかりました!」
先ほどと全く違う反応をしたレイを見て少ししょんぼりしたのかリリーは部屋の隅っこで壁をつついていた。それを可哀そうと思ったレイはリリーの元まで近寄り一言「リリーちゃんも好きだよ」と声を掛けた瞬間。リリーは俺の方を向き俺を思いっきり抱っこした。
俺は出ようとしたがなぜか出られない。抱っこされた俺はリリーの膝の上で残りの一人の自己紹介を聞くのであった。
「レイは私の事をほかの奴らより知っているな。私はナンバー黒のリヒーだ。この組織の長とエースをやっている。レイ今後ともよろしくな」
やはり安心するリヒーの男らしさの中にあるやさしさの塊は当時の俺にはあまりにも持ちきれない産物だった。そして今後のレイに関しての相談が始まった。
「でもリヒーの旦那が連れ帰るってことはかなりレイ君は見込みありという事なのね?」
「ご明察だカノン。私は一目見ただけであの子が異次元の存在か見ることができた」
そしてレイの待遇が決まり正式的に六色光の一員として入ることになった。レイはリヒーに言われ先ほどの会議室にもどり今後の生活について聞かされた。
簡単にまとめると。今後前線で戦えるよう六色光で特別な訓練を受けてもらう事になったらしいという意見だ。
その日から各色たちによる猛特訓が始まったのさ。
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