プリマヴェーラ

プリマヴェーラ

 プリマヴェーラ



 甘ったるい色の光が窓から差し込む。舌にじんわりと残る、懐かしくもどこか鮮やかな「あの味」を彷彿とさせるそれは、くすんで色褪せた机に乱反射して見えなくなっていく。嗚呼、甘ったるい。甘ったるいったらありゃしない。思わず笑みがこぼれる。


 悠哉ゆうやは、窓際の机に浅く腰掛けながら友人の帰りを待っていた。細身の身体に紺色の学ランを緩く着崩し、首元からは少し馴れたシャツが覗く。すっかり履き潰された上履きをつま先に引っ掛け、悠哉は二時間ほど前からひたすら退屈な時間を過ごしていた。時折筋張った喉元がこくり、と動くのは、蜜柑味の飴が悠哉の舌の上でひたすら転がされているからである。


 糖が咽頭を通って身体にゆっくりと染み渡っていく。退屈凌ぎに口に入れたそれは未だまんまるな形をとどめていた。意外かと思われるが、悠哉は飴のトドメを自分から刺すタイプではないのである。幼い頃、舐めかけで口の中に入れておいた飴を失念したまま転倒し、危うく細い喉に飴が吸い込まれそうになったことがあった。……きゅん、と蜜柑の酸が扁桃に染みたのを今でも覚えている。

 しかし、その時に置いても悠哉は飴を噛むことはなかった。

 悠哉は考えた。もし、もし自分がこの飴を喉に詰まらせるような事があったら…

「……絶対噛まない。」

 悠哉はオレンジにぼんやりと輪郭が薄れゆく校庭を眺めながらそう呟いた。

 ゆるゆると溶かされた透き通るオレンジから今また一つ、甘蜜が滴り落ちる。




 無機質な教室に少しずつ影が落ちてゆく。悠哉の舌に転がされ続けた蜜柑飴は先程全て蜜に姿を変え、お蔭で口いっぱいに甘ったるいそれは染み付くように残っている。


「……香汰こうた、遅いな」

 通常であれば、香汰がこの教室に降りてくる頃であった。


 香汰は美術部に属している。既に二人は三年で部活は引退しているのだが、香汰は秋の展覧会に出展したいものがあるらしく未だ部活に出ていた。

 美術室は三階、教室は四階。普段であれば、窓の向こうがすっかり暗くなって、その更に向こう側の熟しきったオレンジが空に香ばしく焼ける頃に、部活の終わった香汰は少し緩い上履きに踵を浮かせてぺたぺたと音を立てながら階段を降りてくる。彼がいうには、在学中にサイズが合わなくなることを恐れて大きめに買ったが全くサイズが変わらずブカブカなままになってしまったらしい。高二の頃に悠哉は香汰と出会ったが、その頃から上履きはブカブカであったし、香汰自身、そのことを全く気にしてはいないようであった。


 彼の身につけるものは全て身体から少し浮いており、その僅かな隙間には決して無ではない何かが確かに満ち溢れていた。実際、ほっそりとした手首につけられた腕時計でさえ、その細い輪郭に滑り落ち、水平を保てていない。無論、香汰はいたって普通のクラスメートであり、なんの変哲もない高校三年生であることは明白な事実であるのだが……体育の時間であっても彼の白い肌はサラリと、その空間を保っていたのである。晩夏、長期休みが明けた、気怠い空気が漂う四時間目の古典の時間にも、香汰のワイシャツにはよく糊が効いていた。


 気がつけば、空は鉄紺色に包まれ、校舎を覆うコンクリートやガラス全てに深い蒼を落としていた。

 ひと月前と比べてさらに日が短くなったのもあるが、校庭を見れば野球部のやつらしか残っていないし、悠哉は既に三つ目の蜜柑に手をかけようとしていた。いつもは二つの飴をぼーっとしながらゆっくり舌に浸し終わったくらいで香汰の足音が聞こえてくるはずなのであるが……一向にあの気の抜けた上履きの音が聴こえてこない。



 あいつは……香汰は、確かにドライなやつであった。自分以外の他の何かに執着するところなど見たことがない。いつか、クラスメートの一人が机の足に躓き、その際に誤って手が引っかかって香汰の腕に着いていたブレスレットの紐が切れてしまったことがあった。特に香汰自身がそのブレスレットにまつわるエトセトラを語っていたわけではないが、琥珀色のビーズがあしらわれたそれは誰が見ても『如何にも』な代物であることは周知の事実であった。実際、悠哉はそのブレスレットにまつわるエトセトラについて既に知っていただけあって、これは流石に香汰が激昂するであろうと教室の隅で予想していた。

 四方に広がっていく琥珀色は、パチパチ、ザラザラと耳障りな音をたてながら、教室の床に散りばめられてゆく。ビーズが弾ける音など、普段の喧騒に比べればほんの少しの騒音であるはずだったにもかかわらず、教室に満ちていた穏やかな空気を一瞬で張り詰めさせた。

 当の香汰は、その状況を無言でただ見つめていた。激昂するか、涙を流すか、はたまた執拗に責任を追求するか、そのどれかだと誰もが思った。

 しかし、香汰は教室に静寂が訪れた五秒後にただ一言、「ちりとりとほうき、持ってきてくれる?」と隣の子に頼んだのであった。

 悠哉はあのクラスメートくんの顔がさらに青褪めたのを見逃さなかった。いつも馬鹿みたい騒いでいる山本や皆川でさえも、「こいつ何いってんだ…?」と言わんばかりの眼で香汰を見ていた。

 実際、あの時誰よりも冷静で、その状況を客観視できていたのは香汰であった。

 白い教室に満ちた静寂を直ぐに破ったのは、五時限目の始まりを告げるチャイムであった。


 これだけ聞くと、香汰はとんだ冷徹無血なやつだと思われるかもしれない。しかし、香汰は決してそんな冷たいやつではなかった。むしろ、悠哉が今まで見てきた誰よりも礼儀やら形式やらを大事にするような男であったのである。


 悠哉は前に一度、香汰に何も言わずに放課後一人で帰宅したことがあった。理由は特にない。ただ「すぐに家に帰りたい気分」故に帰宅したにすぎないのだが、その翌日の朝には白い肌を薄く紅色に染めた香汰が鋭い目つきでこれでもかというほど悠哉を睨んだのである。

 補足をするようだが、悠哉と香汰は毎日一緒に帰らなくてはならない理由があるわけでもなく、またお互いにそうした契約をしているわけでもない。ただ、お互い『なんとなく』毎日一緒に帰っているだけで、いわば法的拘束力のなく不文法の合意のようなものであった。むしろ、法などにも満たないような、日本人お得意の『その場の流れ』のような……少なくとも悠哉はそういうものだと理解していた。別に破ろうが従おうが自由なもの。何事にも執着しないタチである香汰だってきっとそう解釈しているに違いないと疑わなかった。


 しかし、香汰が少し色素の薄い双眼に怒りや蔑みを露わにして悠哉を睨んだ瞬間、決して『流れ』などではなく、法でも慣習でもない何かが双方の間に存在していることを思い知ることになったのである。


 あの日無言で明らかな非難の色を浴びせてきた香汰のことであるからこそ、悠哉はこの蒼い状況に酷く恐れを抱いた。_____きっと何かあったか、起きたかに違いない。


 気づけば甘ったるい蜜柑の香りなどどこにもなく、ただ少し乾いたざらざらとした舌が口内に鎮座しているだけであった。学ランと白いシャツの間に、中秋の風がスッと吹き抜ける。悠哉はオレンジ色のプラスチックをポケットへ雑に仕舞い、随分と形を崩したスクールバッグを背負いながら早足で四階へと向かった。



 四階の校舎の一番奥にある美術室周辺は、確かな湿り気と妙な冷たさに満ちているような気がしたのはきっと気の所為ではないと悠哉は感じた。乾燥した手の甲にしっとりと絵の具が滲むような感覚はいつだって慣れなかった。深く息を吸うのを躊躇うような、もし吸ってしまったら最期のような気がしてならない。きっと自分はその時点で何色かに染まってしまうような気がした。

 しんと静まり返った青白い廊下を少し進むと、一部ぼんやりと光が灯っている美術室を見た。

 悠哉は安堵した。少なくともまだ美術室に人はいる。例え香汰がここに居なくても、その行方を知ることが出来る。

 ツンとした冷たさを孕むドアノブに手をかけ、念のためゆっくりと室内に入ると、そこには薄汚れた紺色のエプロンを身につけ、ひたすら粘土に向き合う香汰がいた。



 もう既に他の部員は帰宅しているからか、美術室の隅にのみ電気が灯っており、香汰がいる周囲だけが無機質な白に包まれているようであった。明るめの地毛が柔らかなベージュ色に艶めいて、時折さらりとその穂先を変える。相変わらず糊の効いたワイシャツの袖は肘上まで丁寧に折られ、うっすらとこの夏で日焼けしたしなやかな腕には所々灰色の粘土が付着していた。



 香汰は、銀色に鋭く整えられたパレットナイフのようなものでひたすらにその表面を削っていた。凸凹な、油の滲むような表面がするすると整えられていく。

 また、香汰の前に重く鎮座する灰色のそれは間違いなく……いつか美術の教科書か何かで見かけた『ヴィーナス』であった。高く整えられた鼻筋、土塗れにもかかわらず瑞々しささえ感じるような唇、今にも揺れそうな乳房、腰回りに巻かれたやわらかなシルク。

 香汰がその細い指で持つナイフや、それによって少しずつ削がれていくあれそれには所謂『命』や『ヌクモリ』のようなものはなく、むしろ残酷なほどの冷たさを孕んだものであることは悠哉自身理解していたつもりであった。しかし、ヴィーナスの皮膚が、するりするりと滑らかに整えられていくたびに、どこかあの甘ったるい熱のようなものが土気色に与えられていくように悠哉は思えた。

 _____気がつけば、鼻腔をくすぐるのは美術室特有の油臭さなどではなかった。

 むせかえるほどの芳醇な春の草花の香りが、香汰の周囲を包み込んでいたのであった。


 ・・・・・


 悠哉は香汰の様子を暫く眺めていた。なんてったって、あの双眼が先程からずっとそのヴィーナスに囚われてしまっているのである。

 言うまでもないが、香汰は未だ悠哉が教室を訪ねてきていることに気づいていない。また、悠哉の影が薄いわけでは決してない。朝悠哉が教室に入れば、香汰はすぐに悠哉の方を見るし、お昼の混み合った食堂で香汰はすぐに悠哉を見つける。香汰曰く「音と気配が煩いからすぐわかる」らしく、悠哉はその言葉を褒め言葉として潔く受け取ると、香汰はその顔を若干引き攣らせた。悠哉は自身が終始笑顔であったことを覚えている。何故なら、香汰がそうした感情を露わにするのは悠哉に対してだけであることを既に認識していたからである。また、香汰自身も悠哉の強かさや利口さは重々承知しており、いつだって適切な距離感を忘れない悠哉だからこそ自分が今こうして笑えることも理解していた。



 人間とは、ある対象を意識して初めてその対象への印象をもることができる都合のいい生き物である。それは、なんとも思っていなかった相手から急に好意を向けられると途端に恋が始まったり、ある日女友達から「なんかあの子うざくない?」と持ち掛けられて初めて『あの子』に対して嫌悪感を抱いたりするように……香汰が普段あまりバカ騒ぎをしないたちである悠哉を「雰囲気が煩い」と評価し、クラスの女子からは「親切で大人っぽい」と言われている香汰を悠哉は「ドライなやつ」と評価しているのである。



 香汰の、白く少し透けたシャツに時折パレットナイフの銀が反射する。

 悠哉は、木箱のような椅子に腰掛け、少々唇を尖らせながらヴィーナスに向き合う香汰にどこか焦燥感を抱いていた。

 先程から一層強まる花の香り、手のひらに残る湿気た冷たさ、香汰と悠哉の間を隔てる薄蒼い闇。この時悠哉は、『このまま香汰が戻ってこないのではないか』と本能で感じた。

 香汰は、誰の何にも干渉せず、こだわらなかった。しかし、一つ決断を下した際に最も潔く、迷いもなしに実行するのも香汰であった。きっと香汰ならば、自らの喉に蜜柑飴が詰まりそうになった場合にはすぐに噛み砕くか、または死を覚悟して飲み込むかのどちらかしかないのである。はたまた、そうした事態を予想してあらかじめ蜜の根源を刺しておくかもしれない。香汰は、そういった意味で悠哉が最も恐れている人物の一人でもあった。

 一方悠哉の場合は、消えゆくものの最期を残酷なまでに見つめて看取るのである。消えゆくものは致し方ない。人間いつかは何処かで死ぬものだからこそ……運命や宿命などというものがあるのだとしたら、それに対して全く抗うことのなく終末を享受するのであった。あの蜜柑飴だって、それが自分の命を奪うものである運命だったのならば、悠哉は喜んで自らの死を受け入れるのである。


 だからこそ、きっと、いつもの悠哉であれば、香汰がこちらに気づくまで待つか、はたまた先に帰宅するかを選んだはずであった。


 _____『事実は小説よりも奇なり』とはよく言うものだと悠哉は悟る。



「香汰、」

 冷たく静まり返った美術室に、悠哉の少し空気の混じった軽い声が響いた。

 決して大きな声ではないものの、その声は確かに蒼を揺らした。

 どうってことはない。ただ名前を呼んだだけである。きっと小説であれば鍵カッコ含めても四字ほどで済んでしまうほどのものである。

 しかし、やはり事実は小説よりも残酷であり、そして美しいものなのである。


 蒼い空間に、悠哉の声が波紋のように広がる。

 香汰の手にあったパレットナイフは鋭い音をたてながら床に落下し、危うくヴィーナスの足先へ無残な形に刺さるところであった。金属音が未だその空間に響いているような気がする。

 ようやく薄暗い闇の向こうに気づいた香汰の瞳は、呆然とドアのそばに立つ悠哉に向いた。慣れた手つきで泥を撫でていたその手はピタッと動きを止め、かさついた香汰の唇は微かに震えていたように見えた。

 驚いた様子で悠哉を見る香汰に、悠哉はようやく自身の心肺が機能し始めたことを実感した。


「なに、急に」

 香汰は悠哉の様子に未だ驚いているようだった。悠哉はいつもより鼓動の早い心臓に手を当てながら、なるべくいつもの調子を取り戻すよう努力した。

「……今お前何時だと思ってんだよ。もう十九時半だぞ」

 香汰は少し焦ったような顔をした。

「あぁ、本当だ。ごめん気づかなかった。」

 急いで片付ける。ただ、香汰はそう言って、壁に掛けられた時計に目を向けながら、床に落ちていたナイフやら何やらをそそくさと準備室に持って行った。

 香汰がすっと立ち上がった途端、静寂に包まれていた美術室に慣れた音が舞い戻り、いつしかドアと木箱を隔ていたモノも消え去っていた。その間悠哉は、忙しなく動き出した香汰をただひたすらに眺めることしかできなかった。



 香汰は流し場で自らの腕や指にこびりついた泥を落としながら、ふと悠哉に問うた。

「ってかさ、悠哉は……そこにいつからいたの。俺、あんな悠哉が切羽詰まった顔してんの初めて見たからびっくりした」

 香汰は、言い終わった後にちらっと悠哉の様子を伺った。

「俺だって、お前があんなに入れ込んでるところ初めて見たわ」

 悠哉のそんな様子に、香汰は少しむっとした様子で答えた。

「そりゃ、仮にも美術部副部長だし?」

 ただの陰キャじゃないだってば、と小言を溢しながら薄い唇の端をすこし上げた。香汰はなかなかに手ごわい泥と悪戦苦闘していた。灰色に侵食されていたモノが、徐々に浄化されていく。悠哉は自己の心臓に温かな血液が通っていくのを感じた。

 ああ、香汰がそこにいる。



 あらかた片付けが終わった頃、美術室にはただ一体のヴィーナスが残った。

 若干未だ成形の荒いところはあるものの、虚ろ気な表情や艶やかな肉体は既に独特な風合いをもたらしていた。あるはずのないものが、そこにある気がして、悠哉は何となく土気色のヴィーナスから目を離せなかった。

「綺麗でしょ。それ。ボッティチェリの絵画に出てくるやつ」

「だよな。美術の教科書かなんかで見た記憶があったんだ」

 そういった悠哉を香汰は心外そうに見つめた。

「悠哉ってそういうの興味ないと思ってた。ほら……美術の授業ほぼ寝てるし」

 あれみんな気づいてるからやめな、と香汰は悠哉に対して無駄に深刻そうに言った。うるせえ。目の奥で馬鹿にしてるの気づいてるからな。



「なんか……動き出しそうだな」

 その泥の塊には生命の欠片もなく、また以前温かな血液が通っていたような痕跡もない。触れればひんやりとした温度だけが伝わる無機質そのものでしかないはずであった。それは、重々承知しているはずなのだが……悠哉はヴィーナスの持つ熱っぽさにうかされてしまいそうであった。

「ホラーみたいだけど、でもわかる。造ってるとさ、しないはずの香りがしてくる気がするんだ」

 少し悠哉よりもハスキーな声でそう言った香汰を、悠哉は思わずハッとして見つめた

 。

 それじゃあ、あのむせ返るような香りは幻ではなかったことになってしまうではないか。今現在自分を脅かしているヴィーナスでさえも、それは実体を伴うものになってしまうではないか。此処にいるのは、ただの偶像ではないのか____?


 そんなのは許せない。きっと、許せない。



 二人はしばらくヴィーナスを眺めていた。しかし、間もなく見回りの警備員に催促され、二人は美術室を後にすることにした。

 香汰が、少々建付けの悪い美術室のカギを閉める。金属と金属が嚙み合わさる音を確認した直後、香汰はふと動きを止めた。

「香汰、どうした?忘れ物?」

 悠哉は、先ほど放り込んだ蜜柑飴を口内で転がしながら尋ねた。甘ったるい蜜が少しずつ舌に染み込んで潤していく。いつもよりだいぶ時間は遅いが、しかしいつも通りの放課後が取り戻されていく。甘ったるいったらありゃしない。平凡な甘さにどこか安堵する。


 しかし、そんな中香汰は悠哉の言葉にすぐに返答することなく、どこか意を決したかように口を開いた。

「ねえ、悠哉」

「ん?」

「悠哉のファースト・キスっていつだった?」

「えっ、何今そういう話するん?」

 ええ~、俺のファースト・キスは……と、そこまで言い終わったあたりで、香汰が、スッと息を吸った。

「実はさ、俺のファースト・キスの相手、あのヴィーナスなんだよねっていったら、どうする?

 」

 悠哉は、香汰の顎の先あたりについていた土留色から目を離すことができなかった。

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